21日のリーガ第23節でレアル・マドリードがビジャレアルに6―2で大勝し、先週のチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1stレグでリヨンに敗れたショックを吹き飛ばした。

 しかし、恥骨炎で欠場したカリム・ベンゼマはお祭り騒ぎのカヤの外。この試合2ゴールで復活をアピールしたイグアインにまたしても差をつけられた。

 W杯イヤーを新天地で迎えたフランス期待の新星が飛躍できずに苦しむ中、レアルOBのジネディーヌ・ジダン氏が「心配はしていない。彼にはレアルで成功する力があると確信している」と母国の後輩に励ましの言葉をおくっている。

 フランス日曜朝のサッカー番組“テレフット”に出演したジダン氏は、「ビッグクラブに入ったときは、どうしても順応する時間が必要。才能があれば十分というわけじゃないんだ」とベンゼマの不発を説明した。

 そしてグループに順応するには、「言葉を習得しなければいけない。僕の場合は、妻がスペイン系だったから、レアルに着たときにはそれがずいぶん助けになった」と自身の経験を振り返っている。

 思えばここ数年、多くのオランダ人選手がレアルで才能を十分に発揮できずにクラブを去った。その点では、フランス語はスペイン語と同じラテン語系。ポルトガル語を母国語とするカカやクリスティアーノ・ロナウドよりは苦労が多いだろうが、最初の1年を越えればおのずと変わってくる。ジダン氏の発言は、22歳の若者に性急に結果を求めすぎるメディアへの牽制と言えそうだ。