『オバケのQ太郎』
『パーマン』
『ゴルゴ13』
『ブラック・ジャック』
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』
『美味しんぼ』
『ジョジョの奇妙な冒険』
『BASTARD!!』

 ここにずらりと並べた作品はいずれも劣らぬ国民的な人気マンガばかりですが、これらのマンガには、ある共通点があります。それが何だかお分かりでしょうか?

 実はこれらの作品には全て「封印された回」が存在します。

 例えば『オバケのQ太郎』の場合、コミックス第5巻に収録されていた「国際オバケ連合」という回がそれに当たります。ストーリー自体は「世界中のオバケの総会が日本で開かれることになり、その会場がQ太郎の下宿先である大原家に決定。世界各地のオバケが登場する」という微笑ましいもの。しかし、その中の1匹(1人?)のオバケの姿が「真っ黒の体に鼻輪を付け、腰みのを巻いた」ものだったため、『黒人差別をなくす会』が抗議活動を展開し、発行元の小学館は『オバケのQ太郎』を回収しました。

 『オバQ』の場合は「差別・表現」が問題とされましたが、ある作品は「権利関係」が、またある作品は「盗作(の疑い)」が、その他「事実誤認」「わいせつ表現」「名誉毀損」などが問題となりました。それらの中には客観的に見れば、過剰反応(回収までしなくても・・・)と思えなくもないケースもありますが、一度封印された作品が再び陽の目を見ることはなかなか難しいものです。

 国民的漫画家・手塚治虫氏は、自らの作品『ジャングル大帝』が1960年代にアメリカに輸出された時、アメリカの担当者から「原作のように、黒人の唇を分厚く、ことさら醜く描かず、リアルに描くように」との注意を受け「冗談じゃない。唇の厚くない黒人を描いてどこがリアルなのか」と言い返したそうです。

 一度は発行が停止された『ジャングル大帝』は、現在復刻し販売されていますが、『ジャングル大帝』を含む全ての手塚作品には「読者の皆さまへ」という当時の時代背景を説明する一文が添えられています。

 「心のオアシス」として存在するマンガですが、現実的には手塚治虫氏のような超大御所でさえ越えられぬ一線というものが存在するのです。



『封印漫画大全』
 著者:坂 茂樹
 出版社:三才ブックス
 価格:1365円
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