ことあるごとに報じられる地球温暖化の話。しかし、最近は一部で地球寒冷化説も注目を集めるなど、何が真実なのかわからなくなりそうですが、そもそも世間一般で唱えられている地球温暖化説は何を根拠にしたものかご存じでしょうか?

 これに関しては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)という気候学者たちを中心とする団体が作った評価報告書が基となっているそうです。科学作家として活躍する竹内薫氏によれば、この評価報告書は1990年に出された第一次版は数千ページもあったのに、第二段階では100ページ程度に要約されてしまったそうです。

 この報告書には「熱帯地域のサイクロンが多発するだろう」という意見があり、それと反対のことを書こうとしたクリストフ・ランドシーさんはIPCCから脱退してしまいました。また、温暖化の原因は二酸化炭素以外にもあるのではないかという考えを持っているロジャー・ピールケさんもIPCCから脱退しています。温暖化が大多数の意見であることは間違いないですが、それに異論を唱える少数派の意見は、この第二段階で削ぎ落とされてしまったようなのです。

 思えば、地動説を唱えたガリレオは裁判にかけられ有罪となりました。大陸移動説を唱えたウェゲナーは死ぬまで認められませんでした。温暖化や寒冷化の正しい答えは、実際に気候が変わらなければわかりませんが、異論を排除し、温暖化のみに、しかも二酸化炭素の増加ばかりにスポットを当てる傾向に、竹内氏は危惧を抱くと指摘します。

 ところで、オセアニアの島国ツバルは、海面の上昇により海中に沈みつつあり、その原因は地球の温暖化だと言われています。しかし、地球が寒冷化してもツバルは沈むかもしれません。もし、本当にツバルを守りたければ、温暖化対策をするよりも、まずはツバルに堤防を作るなど護岸整備をするほうが先決だという意見もあります。しかし、現実にはそれが成されていないとのこと・・・。もしかしてツバルが沈まないと困る人でもいるのでしょうか?

 科学作家歴20年の竹内氏が、偏った説ばかりが報道されるエネルギー問題や環境問題、はたまた科学の裏側にある「グレーゾーン」について歯に衣着せずに書き下ろした『なぜ「科学」はウソをつくのか』の内容は、頭に入れておいても損はないかもしれません。



『なぜ「科学」はウソをつくのか』
 著者:竹内 薫
 出版社:祥伝社
 価格:1470円
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