カラオケで歌う曲を選ぶ時、どうやって選びますか? その場を盛り上げようとノリノリの曲を入れることもあれば、自分の心情と照らし合わせたり、好きな歌手だからという理由だったり、何かしらの理由があってその曲を選び、歌っているはず。

 では「君が代」を歌う時はどうでしょう。多分、大体の人が「国歌斉唱って言われるから歌ってる」のではないでしょうか。でもこれも歌。作られた経緯もあれば、作詞作曲者もいます。「国歌なんだから日本人が作ったんでしょ」とお思いのあなた。実は日本の国歌って日本人が「作ろう」と発案して作ったものではなく、最初の作曲はイギリス人によるものだったということをご存じですか?

 国歌を作るきっかけとなったのは、明治時代の初期にイギリス公使館にいた軍楽隊長のジョン・ウィリアム・フェントン氏が「ヨーロッパではどこの国でも国歌というものがあって、国と国の式典や祭典時には演奏するもの。日本だけないのは外交儀礼上よろしくない」と進言したから。歌詞は古今和歌集に収録されていた賀歌を原型としていますが、作曲はフェントン氏。しかし、洋風な曲調だったため当時の日本人には馴染まず、宮内省の雅楽の伶人によって改作。それを今度はなぜかドイツ人のフランツ・エッケルト氏がアレンジしたのだそうです。

 国歌だから歌い、特になんで作られたかなど、普段は特に考えたことってありませんよね。でもそのような「そう決まっているのだから、その通りにしよう」と考えがちな日本人の意識は問題だと『日本辺境論』の著者・内田樹さんは指摘しています。「毎年、卒業式・入学式シーズンになると"君が代問題"が取りざたされるが、なぜ国歌が必要なのか。それは何のためなのかという根本的な問いに誰も興味を示していない」と。また、「軍国主義イデオロギーの象徴だから」と反対するのであれば「国歌としてはどのようなものが望ましいのか」を考えていくべきとも。

 皆さんは、日本にはどんな国歌が合っていると思いますか? 重々しい曲? 元気が出る曲? 「建国記念の日」の今日だからこそ、そんなことを考えてみるのもいいかもしれません。



『日本辺境論』
 著者:内田 樹
 出版社:新潮社
 価格:777円
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