堀口ひとみさん
 女性が転職を考える時、その理由の大きな一つに数えられる「人間関係」。どんなに仕事が優秀な人でも、人間関係でつまづき、悩みを抱えることはあるはずです。今回は、ライフスタイルとビジネスをサポートする“コーチング”を活用し、コーチとしてご活躍されている堀口ひとみさんに、お仕事の内容と元気になれるちょっとしたコツなど色々なお話を伺いました。

――コーチのお仕事の内容は?

堀口ひとみ(以下、堀口):一言で言うと、「人の可能性を開く」ですね。その為にお話を聞きます。ただ、ずっと話を聞いて頷くだけではなくて、問題などに対して「じゃあどうするの?」と具体的にアクションまでの落とし込みをしますね。大抵の相談者の場合は、「あなたは、これできないからやりなさい」と言われ、できない事を補強させる教育を受けているんですよね。コーチングであれば、「あなたのできる事はなんですか?」という可能性を広げるお手伝いをしています。

――できる事に視点を向かわせるんですね。

堀口:そうですね。結構人生は省エネでいけるものなんですよ。できない事を補強する為にエネルギーを使い果たすのではなくて、できる事にエネルギーを注いでいけばいいんですよ。

――資格は必要なのですか?

堀口:なくてもいいものです。財団法人生涯学習開発財団のコーチ認定資格なのですが、私の場合には、株式会社コーチ・トゥエンティワンのカリキュラムを受けて、実際にクライアントさんとの実践を3ヶ月こなしてから、知識などをweb受験して取得しました。

――昔からコーチングに興味があったのですか?

堀口:急に興味が出た時があったんです。5年間ずっとマクドナルドの店頭社員で、5〜60人のアルバイトスタッフのマネージメントをしていて、その後アパレルに転職したんですが、そこでもスタッフの扱いには悩んだ時期があって、たまたまコーチングの本を読んでいたんですよ。アパレル店長の時に、ブログで集客を図っていたんですが、更にセールスをあげるには、私自身の力だけではなくて部下の力も引き出したいと思ったんですよね。それで、何となくコーチングに興味を持ち始めたんですよ。

――資格取得の決め手は?

堀口:たまたま、アパレルとコーチングの両方を経験している方がブログをやっていて、ファッションとコーチングを絡めていた事で「興味があるのでお話を聞かせて下さい」と言って、直接会いに行ったんですよ(笑)。その人が「株式会社コーチ・トゥエンティワンでコーチングを習ったからそこで習うといいと思うわ」と教えてくれたんですよ。

――それが受講のきっかけなのですね。

堀口:そうですね。それからコーチングのセミナーに幾つか行ったりして、30歳という年齢を機に、思い切ってお金を払って受講をしてみようかなと思い立ったんです。私の場合、コーチングを職業として独立するというよりは、実用で使いたかっただけなんですけどね。

――コーチとしての日々の活動は?

堀口:電話セッションがメインですが、セミナーも開催しています。相手の幸せの形を理解できる人間を沢山増やしたいという思いがあるので、それをコンセプトに開催していますね。コーチングに興味があったり、コミュニケーションで悩んでいる人が多いので、自分なりに教えていければいいかなと思って活動をしていますね。

――セミナーはどういう形式なのですか?

堀口:半日のセミナーです。最近、凝っているのが説明をしないセミナーですね。自分で答えを探してもらうのが目的なんです。たとえば、質問メイクセミナーの中で、「イチロー選手に質問ができるとしたら何をしますか?」と参加者に聞いてみた所、「イチローさんが喜ぶ質問をしてみたいです」という答えが出たんですよ。その時に、深く納得したんです。自分の物差しとの違いを聞くというよりは、相手が喜ぶ質問を投げかけてみるのが、コミュニケーションで必要な事なんじゃないかなと思います。

――相談に訪れた方それぞれと、違ったお話をされるのだと思いますが、万人に通じるアドバイスはあるのでしょうか?

堀口:アドバイスをしないのがコーチングなんですよね。コーチという名称から、アドバイスをされるとイメージする人は、多いと思うのですが全然違うんですよね。相手の話を黙って聞いているだけです。答えは全て自分の中に持っているんですよね。どうしても捉え方がわからない時にだけ、エピソードとしてお話をして、新しい視点から本人に気づいてもらう事をしていますね。エピソードを聞いて相手が自分の中で考えると、「じゃあ、自分はこうしてみたい」と皆さん言いますね。

――なるほど、考えを導きだすんですね。

堀口:自分自身が元気になる方法は自分が一番知っているんですよね。元気がある時の法則は、それぞれに必ずあるので、そこを質問で引き出すのがコーチングなんですよ。「前にうまくいっていた時は、何が揃っていたからうまくいっていたのか?」と聞くと、必ず色々出てきて「今は、これが欠けているからうまくいっていないのかもしれません」とかね。内面だけじゃなくて、好きな洋服を着てたから元気になれたという外面要素もあると思いますしね。

――様々なタイプの相談にあわせ、質問を用意しておくことは、とても難しそうに感じますが…。

堀口:コーチングを始めた頃は、質問のバラエティが少ないかなと思った事があり、色々サイトで質問を収集してみたんですけど、結局うまくできないんですよね。だから、ある時それを辞めて、自分が聞きたい事をただ聞いてみるようにしたんです。相手の話を聞きたいと思っていたら、絶対質問はどんどん出てくるんですよ。相手に興味を持つと、自然とできるようになります。