日本人の発言で物議

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昨年末、産経新聞の外信コラム「ソウルからヨボセヨ」で、韓国の食文化を蔑視する表現が含まれていたとして韓国で論争になった事件をご存知だろうか。問題となったコラムには、ビビンバを「羊頭狗肉(ようとうくにく)」と表現した部分があったため、多くの韓国人がこれに憤慨し非難が集中することとなった。コラムを執筆した産経新聞のソウル支局長黒田勝弘氏は、2週間後に同コラムで弁解の言葉を述べだが、ビビンバ発言の余波はその後も長く続いた。今では韓国の新聞に黒田氏の名前が掲載される時には、「日本の極右メディアである産経新聞の黒田氏」と「極右」という文字が必ず付け加えられて紹介されている。

そんな黒田氏が、韓国の「ノーカットニュース」の電話インタビューで、「韓国人はトヨタのリコールに過敏すぎる」と発言したため再び注目を集めているようだ。黒田氏は、「米国の場合、トヨタの消費者が多いから(騒ぎになるのは)理解できるが、韓国は消費者がほとんどいないのにも関わらず、なぜこんなにもなってしまうのかというほど騒いでおり驚いてしまう」とトヨタのリコール問題に対する韓国人の過剰な反応についてコメントする。

黒田氏はこのような過剰反応が起こる理由として、日本に対する特殊な感情を挙げる。「トヨタはヒュンダイ(現代自動車)とライバル企業であるため、韓国人は(今回のリコール問題に対して)ほかの国よりも過敏になる」とし、さらに「韓国人は日本で良くないことが起きると喜ぶという心理が働いている」と話したのだという。

また、トヨタの今後については、「米国でトヨタに対する批判が高まることによって(グローバルな)市場占有率は落ちるが、トヨタは世界一の技術力と品質があるのだからしばらくすれば回復するだろう」と考察。日本への影響については、「日本の自動車業界全体、または日本の経済への影響があるとは見ていない」と語る。

もちろん、韓国のヒュンダイ(現代自動車)とキア(起亜自動車)についても言及。「ヒュンダイやキアの韓国の自動車占有率は80%にも達する。もし類似のリコールが起きたら致命的な打撃を受ける可能性がある。より一層の努力が必要」と韓国の自動車業界に警笛を鳴らす。

このような黒田氏の発言に韓国ネチズンの反応は様々だ。「ビックリだって?あなたの発言の方がいつもビックリだ」「黒田氏の今回の発言には納得」「トヨタが今回の危機をどう乗り越えるのか見守って分析する必要があるだろう」などなど。

黒田氏の意見に賛否両論はあるものの、日本企業の問題についてコメントを求めるあたり、黒田氏の発言に関心が高いのは確かなようだ。

参照:韓国人は、トヨタのリコールに過敏反応 - ノーカットニュース


(文:林由美)


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