女性は男性より20分長く寝る必要あり、理由の一つは「脳の使い方の違い」。

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大まかな話として「男は論理的」「女性は感情的」というように、男女には物事の考え方にも違いがあると言われている。もちろん個人差が存在するため、これはあくまでも傾向としての話。でも、実際に脳を活用する仕組みに、男女ではいろいろな特徴的な違いが見られることも、最近のさまざまな研究で知られるようになってきた。英国のある研究者はそうした違いが男女の睡眠にも影響を与えているのではないかとの考えに立って研究を進め、結果、女性は平均的な男性の睡眠時間よりも「20分長く寝る必要がある」と提言している。

英紙デイリー・メールによると、この研究を行ったのはラフバラー大学睡眠研究センターの責任者を務めるジム・ホーン教授。「睡眠の役割の1つは、脳機能を回復して修繕させること」で、それをしっかり実現するために、女性はよく寝る必要があるとホーン教授は説明する。なぜ女性なのか、その理由は男女の脳の活動範囲の違いにあった。 

教授によれば、女性の脳の使い方には「マルチタスクの傾向がある」。女性は何らかの状況で考えるとき、男性に比べて脳内で活動する箇所が多く、そのため複数の処理が必要なときも切り替えが速く、柔軟な対応ができるそうだ。これは男女の思考回路の違いが生み出すもので、「女性の場合、男性よりも複雑な回線が作られる」ため、こうした考え方が可能に。その分、女性は脳を活発に動かしているとも言え、それがホーン教授の主張の根拠となっている。

ちなみに睡眠に関しては、昨年9月に発表されたサリー大学睡眠研究所のニール・スタンリー博士の調査で、同じベッドに寝る夫婦の半数が「不眠に陥った」との結果がある。この調査では、50代以下の夫婦は同じベッドで寝るのが一般的と判明した反面、互いの動きや音のせいで、調査したカップルの半数は不眠になったことが明らかになった。スタンリー博士は、結果をもとに「健康のためには、別々のベッドで寝るべき」と提言している。

これは夫婦(男女)双方に言える調査結果だが、さらに昨年12月には、英国の製薬会社が「EEG」と呼ばれる脳波測定機を利用して、睡眠時にいろいろな音を聞かせたときの脳の活動状況を調査。その結果、反応が最も表れた項目の中で「赤ちゃんの泣き声」が女性の1位だったのに対し、男性のランキングではトップ10にも入らなかった。こうしたことから、一般的な「夫婦が一緒にベッドで寝て、子どもがいる家庭」において、睡眠不足に悩まされている女性は多いと言えそうだ。

この点にはホーン教授も着目しており、「一般的に女性は、子どもの声に反応するように音に敏感」と説明。さらに「同じベッドに2人が寝る場合、軽いほうの人が重い人(通常男性)が動くことにより、目が覚めやすい」とした上で、「女性のほうがより睡眠不足に陥りやすい」としている。

現代女性の睡眠状況を総合的に勘案した結果から、ホーン教授が行った「女性は20分長く寝る必要がある」との今回の提言。とかく睡眠時間が足りないとされる現代人だが、「必要なのは深い、快適な眠り」というホーン教授は、女性は特にしっかり眠るよう呼び掛けている。朝、隣ですやすやと寝顔を浮かべる妻を起こさずに、少し長めに寝かせてあげるのも、夫の優しさの見せ所かもしれない。