担当M(以下M):Jリーグ終盤戦は地上波でもたくさんテレビ放送がありました。

ラモス(以下R):うれしかったね。全試合を放送してくれているスカパー!も大好きだけど、新しいファンを獲得しようと思ったら地上波でも放送したほうがいいですね。

M:サッカーファンになったら有料のCS放送も見てくれますが、まず最初にファンになってもらうためには地上波のほうがいいでしょうね。

R:地上波のテレビ局がサッカー界に対して言いたいこともあると思いますよ。本当にこの試合を放送して視聴率が取れるのかって。だって昔はどんな選手がプレーしてました? 外国籍選手だけで考えてもレオナルド、ジョルジーニョ、ジーニョ、サンパイオ、エジムンド、ベベット、ドゥンガたちってブラジル代表選手でしたよ。スキラッチもリトバルスキーもいたし、ディアスもサパタもストイコビッチもプレーした。他にも世界中で名前が知られている選手ばっかりでしたよ。そんなプレーヤーたちがいればはテレビ局も報道したいと思うでしょう。

もちろん今だってすごくいい選手はいますよ。ジュニーニョなんかは本当にすごい選手。だけど売り出し方がよくない。もっとジュニーニョのよさを押し出さないと、サッカーファンじゃない人に価値が分かってもらえませんよ。有名な選手が少なくなって、今いる選手たちの特長も伝わっていないから、どうしても地味に見えちゃう。日本人選手もうまいんだけど、もうちょっと派手になってくれなきゃ。六本木にのみに行ったとき、すれ違う人が誰も知らないってことじゃこまる。それじゃテレビ局だって放送するのをためらうでしょう。

M:老舗のサッカー番組も時間が短くなったりしてます。どうすればいいんでしょう?

R:考えなきゃいけないのはテレビ局じゃなくて日本サッカー協会とJリーグですよ。この際、Jリーグは自分でお金を払ってテレビ番組枠を買ったらいいと思いますね。宣伝ですよ。他にもそのテレビ放送のためだけにスポンサーを獲得するという手もある。一つのチームをサポートするには商品の対象が広くてダメだという会社があります。たとえばIT関係の会社だったら一つのチームよりも全国を相手にしたいんじゃないかな。

そうやって新しいスポンサーを探してでもテレビで放送してもらわなきゃ。それに加えて選手をどんどん世間にアピールする。Jリーグがチームの肩代わりをしてもいいじゃないですか。そうやって新しいファンを増やしていきましょうよ。サッカーが盛り上がって、それを放送したテレビ局もハッピーになって、それでいい選手が育っていくって、きっとできるはずですよ。

【関連リンク】
ラモス瑠偉の「ふざけないでマジメにやれ!!」 - 過去の記事はこちら

ラモス瑠偉ラモス瑠偉プロフィール
1957年2月9日、リオデジャネイロ(ブラジル)生まれ。
1989年11月、日本に帰化し、1990年北京アジア大会、
1992年アジアカップ、1993年ワールドカップ予選などで日本代表の中盤をリードした。
竹を割ったような性格で、厳しく文句も言うけれど、一方で面倒見の良さでも知られている。

オフィシャルウェブサイト
リストランテ・カリオカ