担当M(以下M):ワールドカップばかりに目が向いて何か大切なものを見落としている気がするのですが。

ラモス(以下R):今ちゃんと手を付けないといけない問題が2つありますね。まず年代別カテゴリーの代表チームを鍛えるということ。育成をしっかりしなきゃダメ。今の指導者たちはちゃんとやっていると思うけど、日本サッカー協会にはもっと盛り上げてほしい。みんなから注目されることでプロ意識も上がっていく。プロになってなくてもね。プレッシャーにさらされて戦う意識も上がっていくんです。指導者をバックアップしてあげることが必要です。そうでないといい素材が出てきても育ちませんよ。

M:どういうことを日本サッカー協会はやればいいのでしょう。

R:もっと試合数を増やすべきだと思いますね。U-17やU-18は次々に外国のいいチームと試合ができるようにしてあげてほしい。勉強との両立が大変になるかもしれないから、それもバックアップしてあげて。それから次に今年考えなければいけないのはお金の問題。

M:サッカー界も不況にさらされていますね。

R:今のサッカー選手には夢が少ない。子どもたちに、サッカー選手になってバンバンもうけて親孝行したいと思わせられないでしょう? 僕たちは現役のころ、みんなから憧れられるようにしなきゃいけないって気をつけました。でも、今の選手たちは生活に精一杯でそこまでなかなか気を回せませんよ。それに不況といっても野球選手はすごいサラリーをもらっているんだから。もしも今、子どもが将来なりたいプロ選手をどちらか選ぶんだったら野球になっちゃいますよ。

そんな苦しい今だからこそ、日本サッカー協会とかJリーグが率先して新しいスポンサーを見つけなければいけないと思います。今までいろいろな制限があったスポンサー業種の範囲もひろげていいんじゃないかな。だってこれまでスポンサーを断ってきた組織だって、合法的な会社じゃないですか。青少年に与える影響について心配してるって言うけど、じゃあ他の国は乱れてるってことはない。どの会社も社会のルールの中でやっている。なのになぜ日本ではダメだと言われるのか分からない。

最初に決まったことを守るのは大切だけど、時代に応じて変えられる部分は変化させていい。そうでないと、去年の大分や東京Vのような事態がどんどん出てきてしまって、さらにサッカーはダメだっていうことになりかねないんだから。子どもたちにはサッカー選手になりたいという夢を与える。そうやって次の次のワールドカップや、さらにそのあとのワールドカップに目を向けないと、いつまでも強い日本ではいられなくなりますよ。

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ラモス瑠偉ラモス瑠偉プロフィール
1957年2月9日、リオデジャネイロ(ブラジル)生まれ。
1989年11月、日本に帰化し、1990年北京アジア大会、
1992年アジアカップ、1993年ワールドカップ予選などで日本代表の中盤をリードした。
竹を割ったような性格で、厳しく文句も言うけれど、一方で面倒見の良さでも知られている。

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リストランテ・カリオカ