パトリック・ヴィエラ(33)がインテルからマンチェスター・シティへの移籍を決めたことについて、フランス代表のレイモン・ドメネクは8日、「いいニュースだ。我々2人は数ヶ月前から移籍について話してきた。彼はもっとプレーする必要があり、場所はそこまで重要ではなかった。でも結果的に非常にいいクラブに落ち着いた。彼にとっていいことだし、フランス代表にとってもいいことだ」と再出発を喜んだ。

 ただしドメネク監督は、昨年6月のナイジェリア戦(親善試合)を最後に、ヴィエラの代表招集を見送っている。ヴィエラが2009年に出場した代表戦はこの1試合だけで、今回のW杯予選は一度も戦っていない。2008年も親善試合2試合に出たのみ。その年のユーロのメンバーに選ばれながら、故障で1試合も出られず、ドメネク監督が批判される原因ともなった。

 ドメネク監督がユーロ2008の失敗を繰り返したくないと考えているとしても不思議はないのだが、監督はあくまで“ヴィエラ外し”の噂を否定する。「彼が試合に出て、自分のレベルを取り戻すなら、代表入りしない理由など何ひとつない」と繰り返す。

 ドメネク監督は、ここ数年ヴィエラが多くの試合に出ていないことについて、「裏を返せば、疲れていないということ。出番に飢えているということだ」と“ポジティブ”に解釈し、6月に34歳を迎える年齢についても、「年をとると意欲が下がるもの。しかし意欲を失わないなら、経験、成熟、冷静さが武器になる。パット(ヴィエラ)はW杯を戦うことに執念を燃やしている」と107キャップを誇る主将のカムバックに期待をかけている。