「一つ言っておきたい。オレがここヴェローナへ来るたびに、観客がどんどん嫌になっていくことに気がついたよ」。6日のキエーヴォ戦で決勝ゴールを挙げたインテルFWマリオ・バロテッリが、キエーヴォのファンをダイレクトに批判した。観客から抗議されたと見られる同選手は、イタリア『スカイ』のインタビューで、「こういったことのすべては受け入れられない」と不満を述べている。

一方、インテルのジョゼ・モウリーニョ監督によると、“バロテッリ問題”を理解するためには、「マリオという人間を理解する必要がある」という。同監督は「彼はよく、言うべきでないことを言い、やるべきでないことをやるんだ」としながらも、「だが、彼は偉大なカンピオーネ(最高の選手)だよ。だから、ピッチ上でやっていることから判断すべきだ」とも続けた。

また、モウリーニョ監督自身は「キエーヴォは素晴らしいクラブだよ。ヴェローナの街も、非常にフェアプレーの雰囲気がある。バロテッリに対するスラングはあり得るけど、それは私に対してあったのと同じことだ。しかし、ヴェローナの観客はほかのスタジアムの観客とは違う。観客というのは、すべてのスタジアムでほぼ似たようなものだけどね。だがおそらく、マリオはピッチ上でもう少しリスペクトされるべきじゃなんじゃないか」と話している。

しかし、ヴェローナのフラヴィオ・トージ市長は納得しておらず、「バロテッリは未熟でごう慢な子供だ。彼がカンピオーネになることはないだろう。本物のカンピオーネたちは、謙虚で良識も持ち合わせている。彼にはそういう特徴がない。キエーヴォのファンはイタリアでもっとも正しいファンの一つであり、その彼らに対して怒るというのは矛盾しているよ。かわいそうだね、バロテッリは。彼は決してカンピオーネにならないだろう」と、厳しく苦言を呈した。

さらに、キエーヴォのドメニコ・ディ・カルロ監督も次のように述べ、バロテッリが姿勢を改める必要があると主張している。

「彼は特に自分のことを見直すべきだ。どこへ行っても、同じことを言われているのだからね。つまり、態度を変えなければいけないのは自分だということを、マリオは理解すべきだと思う。私は普通の状態だったと思うよ。ヴェローナの観客は常に良い振る舞いをしてきた。フェアプレーを重んじる観客なんだ。今日もすべて穏やかだったと思う。選手に対する抗議はあるが、スポーツにおいて相手選手に抗議するのは普通のことだ」

キエーヴォのルカ・カンペデッリ会長も同じ意見のようだ。

「バロテッリにヴェローナを侮辱することはできない。あるプロ選手がブーイングを受け入れられないというなら、間違っているよ。試合が終われば、すべて終わる。彼は人種差別的な野次を受けたわけじゃないんだ。ブーイングを受けただけだよ。問題はバロテッリの肌の色じゃない。彼がピッチ上でしばしば見せる態度が問題なんだ。ブーイングされたからといって、侮辱することはできない。そうでなければ、完全なるジャングルになってしまう」