バイエルン・ミュンヘンに所属するFWルカ・トーニは、ローマへの移籍が決定的だと報じられていた。しかしクリスマス前に、同選手の代理人を務めるトゥーリオ・ティンティ氏がまだ最終的な決定ではないとしたため、他のクラブにも若干の可能性が残っている状態だ。

ティンティ代理人は数日前、「トーニのローマ行きが決定? それを断言することはできないよ。ただ、彼が新しいチームを求めているのは確かで、ローマが関心を持っているのも事実だ。興味が大きいことを示してきた」と、ラジオ番組で述べていた。

バイエルンでルイス・ファン・ハール監督との関係が破綻したトーニは、1月の移籍が間違いない状況。しかし、ローマとはまだ合意に達していない。そこで英『サン』は、チェルシーが争奪戦に乗り出したと伝えている。

ティンティ代理人はインテル行きの可能性について尋ねられたとき、「トーニにとって大事なことは、技術面と戦術面だ。とにかく、コンスタントにプレーすることを重視している。彼はもうミスができないと感じているね。イタリアは彼の国であり、しっかりとやれる確信が欲しい。ローマの方が可能性は高いだろう。インテルも調査しているところだが、ルカは継続的なプレーを要求している」とコメントしていた。これを聞く限り、インテル行きの可能性は低いと言わざるを得ない。

この代理人の発言に逆行する形だが、『サン』はチェルシー入りの可能性を伝えている。チェルシーでは、1月に行われるアフリカ・ネーションズカップで、コートジボワール代表FWディディエ・ドログバがチームを抜けることになった。その間、トーニにドログバの代役を任せるのではないかという噂だ。同紙は、ローマの資金力とロマン・アブラモビッチ・オーナー率いるチェルシーの資金力の差を無視できないものだと強調した。

だが、ローマの主将を務めるFWフランチェスコ・トッティの存在は、トーニにとって大きなものかもしれない。かつて2人は代表でチームメートだったこともあり、トッティのアシスト力がトーニを代表にプッシュする可能性は十分にある。

トーニのローマ移籍がほぼ決定と報じられた後、トッティは自身の公式HPで、「補強は監督やディレクターが決めることだよ」としながらも、「ルカ・トーニが加入すれば、より攻撃面で安定するし、信頼を置くことができるね。彼は偉大な選手だよ」と綴っていた。

イタリア代表として2010年ワールドカップ出場を目指すトーニ。最終的な決断はどうなるのだろうか。