「我々はルール違反などしていない。すべては契約どおりだった」。ラツィオFWゴラン・パンデフのクラブとの契約解消問題が、決着へと近づいている。ラツィオの弁護士を務めるジャン・ミケーレ・ジェンティーレ氏は22日、イタリア『スカイ・スポーツ』に対して冒頭のように述べ、あらためてクラブの見解を強調するとともに、次のように結果への懸念を示している。

「非常に緊迫し、落ち着かない審理だった。リーグ側の進め方にはまったく落ち着くことができなかったよ。審理中にクラウディオ・ロティート会長が退席を命じられたことも、穏やかでないことだ。我々はメンバー構成や裁判長の選定に抗議をした。その代償を払うことになってほしくない。私はただ、冷静な裁決が下されることを願うばかりだ」

「繰り返すが、パンデフは6月に退団希望を明らかにした。そのために、UEFAのリストに組み入れられなかったのだ。問題とされている期間、彼は残りのチームとフィジカルトレーニングをしていた。だが、戦術練習には参加していなかった。招集されていなかったからだ。繰り返すが、ロティート会長とパンデフの代理人とは合意していたのだが、選手が反対し、出て行くことを望んだのだ」

また、パンデフの弁護士であるマッティア・グラッサーニ氏は、同じ『スカイ・スポーツ』に対し、次のように話している。

「もう時間の問題だ。スポーツ裁判もそうじゃない裁判も含め、これだけの早さで判決が下るのは記録だよ。裁決に至るまでに約3カ月が必要だった。だが我々は、審理において道理を示せたと確信している。ラツィオの懸念は理解するが、コメントしたり評価を下したりするのは、結果が示されてからだ」

ジェンティーレ弁護士は「イタリア国家の法律は労働裁判所へ訴えることを認めている」と、一般法廷へ訴え出る可能性も排除はしていない。一方、グラッサーニ氏は「4年間の契約のうちの3年間は終わっており、ゴランは契約延長オファーを待っていた。そして、そのオファーは届かなかった。最後の1年となり、彼は移籍する考えを明らかにし、あとは周知のとおりだ。招集されることもなく、ラツィオのあらゆる活動において使われなかった」と述べており、契約解消が認められるだけの条件はそろっていると考えているようだ。

23日にもどちらの主張が正しいのか、裁決が下される。パンデフの獲得を狙うユヴェントスとインテルは、彼とラツィオの契約解消が認められることを願っているだろう。