3日、「ときめきメモリアル4」が発売された。シリーズ第一作の登場から15年、ギャルゲーの数は膨れ上がり、一大市場を築くまでにいたっている。ギャルゲーをモチーフにした漫画まで登場した。週刊少年サンデーで連載中の「神のみぞ知るセカイ」である。

 桂木桂馬、17歳。数あるギャルゲーをクリアし、1000人のヒロインを落とした彼についた呼び名は“落とし神”。その力を地獄に見込まれ、悪魔「エリュシア・デ・ルート・イーマ」(通称エルシィ)と契約することとなった。
 
 桂馬に課せられたのは“抜け魂”狩り。抜け魂とは地獄から抜け出した悪人の霊魂のことで、人間の心の隙間を好むという。抜け魂を追い出すには心の隙間を埋める必要があると聞かされ、桂馬は現実の女性を恋に落とすこととなった。

 ところが桂馬はゲームでは百戦錬磨だが、現実では恋愛経験ゼロの“オタメガネ”。ゲームで得たノウハウを活かし、現実の女性とにグッドエンドを迎えることができるのか。抜け魂に魅入られたクラスメイト、陸上部所属の「高原歩美」が桂馬の前に立ちはだかる。

 言葉は悪いかもしれないが、設定勝ちのラブコメディである。ギャルゲーの神がリアルの女性を口説く、これだけでもうおもしろい。

 私は生まれ持った性別のせいか、若干、美少女いっぱいでウハウハな漫画が苦手である。しかしこの作品は楽しく読むことができた。それは主人公の魅力によるところが大きいと思う。

 オタメガネ好きという個人的趣向を除いても、主人公がいい。現実に絶望してゲームに逃げているのではなく、双方を比較してゲームを選んでいるところは一本筋が通っている。『現実(リアル)とゲームを一緒にするな。ゲームに失礼だろ』『ゲーム理論を信じて戦う。いかなる現実にも!!』『たかが現実だ』などの台詞には男らしさすら感じてしまう。

 また、桂馬がハーレムものにありがちなまるでダメ男ではなく頭脳明晰美少年であることは、確実に女性読者の心をつかんでいるであろう。ただしイケメンに限る、のひとつの形である。

 作品全体に仕掛けられたギミックもいい。現実の女性をゲーキャラに見立てての攻略ルート探しは、ゲームの実況プレイを見ている感覚に近い。同時にエルシィが空から降ってくる、歩美と廊下でぶつかる(パンチラつき)などの漫画的な王道パターンも取り入れられていて、美少女ウハウハ漫画としても成立している。上質な作中作が挿入されているかのように、二重に楽しめるのだ。

 作者である若木民善氏は漫画界の未来を憂う発言が話題となったばかり。そんな彼が美少女てんこ盛りの作品を描いているのは、痛烈な皮肉か、はたまた激烈なおもしろがりか。とかく現実とゲームを比較している主人公が自らの現実にあっさりと悪魔の存在を許しているアイロニーに、作者の複雑な胸中を感じ取ることができそうな気がした。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)

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【参照】
人気サンデー漫画家「美少女を描けない作家はマンガで食っていけなくなる」