「生原稿を売りたい」マンガ家・黒岩よしひろの悲鳴に見るマンガ界の現実

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「月刊少年ジャンプ」(集英社)に連載され、アニメ化もされた『鬼神童子ZENKI』や、「週刊少年ジャンプ」(同)に掲載された『サスケ忍伝』『魔神竜バリオン』『変幻戦忍アスカ』など、ちょっぴりエッチな作風で知られるマンガ家・黒岩よしひろ。現在はエロ系マンガのほか、『マクロスF 超次空歌巫女ランカ』なども手掛けた彼が「昔の生原稿を売りたい」と明かし、ネット上で話題を呼んでいる。黒岩は自身のブログで次のように明かす。

「昔の生原稿を売りたい。サスケとバリオンとアスカ。しかし、どこなら買ってくれるんだろう。こういう原稿を買ってくれる所を知らないからなあ。できれば高く売りたい。誰か高く買ってくれないかなあ。コミックス1冊分をまとめてドカーンと買って欲しいんだ。買いたい人がいたら、連絡して欲しいなあ。高く買って欲しいんだよなあ」

 さらに黒岩は購入者を「個人でも誰でもいいんだ」と綴り、1枚1万円以上で、『サスケ忍伝』は200ページ以上なので200万円以上、などと宣言。公式ホームページに掲載されているメールアドレスからの連絡を求めている。「少年ジャンプ」に次々に作品を掲載したマンガ家に何が起こったのか? ある出版社の編集者は次のように明かす。

「『ウイングマン』『電影少女』で知られるマンガ家・桂正和氏のアシスタントとして活動を始めた黒岩氏は、「週刊少年ジャンプ」にて『サスケ忍伝』で連載デビューしました。ところが、ジャンプならではの人気投票システムによって、わずか10週で打ち切りとなり、その後の作品も打ち切りが相次ぎました。「月刊少年ジャンプ」に活動の場を移し、ようやく『鬼神童子ZENKI』がヒット。アニメ化・ゲーム化もされましたが、ヒットは続かなかったようです。ブログでは、ジャンプに現在連載されている『バクマン。』を元にした『オレのバクマン』と題して過去の作品の回想録を書いており、『とりあえず連載は決まったけど、直す所がたくさんだった。注文どおり直して、連載になったわけなんだけど、やりたかった物とは別物になっていた。分からないと言われた所を分かりやすくしたら、かなり変わってしまった』など編集者との間に軋轢があったことを暴露しています」

 マンガ家と編集者との間には一定の距離があるのは当然で、メジャーな雑誌ほど、分かりやすく、クオリティが高い作品が求められるのも必然。『DEATH NOTE』の作家コンビである原作・大場つぐみ、作画・小畑健による『バクマン。』は、マンガ界の内情をつまびらかにし、高評価を得ている。現在はヒットを飛ばす小畑だが、彼にも不遇の時代があり、相性の合う原作者との出会いによって、ヒット作を世に送り出すようになった。黒岩は、ブログで小説家への転向を匂わせているが、画にも定評がある彼だけに、良き原作者との出会いによって再びメジャーシーンに返り咲いてくれることを期待したい。

※画像は黒岩よしひろブログより


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