私は80年代後半、市場調査会社で、
様々な消費財の小売店での販売動向を
調べる仕事をしていました。


調査対象には、

「清涼飲料市場」

も含まれていましたが、当時は、
炭酸の入っていない飲料、すなわち

「非炭酸飲料」

が急激に拡大し始めていた時期でした。


「缶コーヒー」もそのひとつですが、
低カロリーで健康的な

「茶系飲料」

の人気も高まっていました。


とりわけ、現在もトップブランドを
維持するサントリーを始め、伊藤園など
の飲料メーカーが注力した

「ウーロン茶」

が爆発的に伸びていたのです。

この勢いは90年代以降、
現在に至るまで続いていますね。


さて、ウーロン茶市場において、
当時の日本コカ・コーラ社は大きく
出遅れていました。


強力な自販機販売力のおかげで、
同社の

「茶流彩彩・烏龍茶」

もそれなりに売れていました。

しかし、ブランド力では、
サントリーと大きな差がついていたのです。
(今でも同じですけど)


フルラインメーカーとしては、
ウーロン茶でも強力なブランドを
確立したいところ。

しかし、既に当時

「ウーロン茶と言えば、サントリー」

と言われるほどのブランド力を保持していた
サントリーとガチンコ勝負をするのは得策ではないと、
94年に日本コカ・コーラに入社した魚谷雅彦氏は
考えたのです。


そんな時、魚谷氏は、
福岡で試験的に販売していた、
ブレンド系のお茶がいい動きを
しているという情報を入手します。


なんの宣伝もしないで、
ただ自販機に入れていただけなのに、

「茶流彩彩・烏龍茶」

と同じ水準で売れていたこのお茶こそ、

「爽健美茶」

だったのです。


商品名に

「美」

を入れたのは、登録商標の問題による、
偶然の産物だったそうですが、
当時としては、斬新なネーミングでした。

またパッケージもお茶らしくないデザイン
がほどこされていたのです。


しかし、そもそもなぜ売れているのか、
東京本社では詳しい購買動向がわかりません。


そこで、魚谷氏は、
若手社員2名を3日間、福岡に出張を命じ、

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