力任せの寝技が目立つシーク・カンゴ。日本での知名度はさっぱりだが、今はなきRINGS最後の世界ヘビー級王者だ

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ライト級世界戦をメインに、ケン・フロ×クレイ・グイダという注目のライト級戦が組まれているUFC107「PENN vs SANCHEAZ」。12日(土・同)にテネシー州メンフィスのフェデックス・アリーナで行われる同大会、PPVラインナップには2つのライト級戦と並んで、ヘビー級の戦いが2試合組まれている。

王者不在のヘビー級、UFC110 でアントニオ・ミノタウロ・ノゲイラと、ケイン・ベラスケスの一戦が行なわれ、ブロック・レスナーの病状次第では、暫定王座決定戦になるという話も伝わってくる。そんななか、元世界王者であり、前暫定王者でもあるフランク・ミアーが同大会でシーク・カンゴと対戦する。

ミノタウロ・ノゲイラを相手に暫定王座を獲得するも、レスナーとの統一戦では、一方的な展開で敗れたミアー。対戦相手のカンゴも、ベラスケス戦敗北からの復帰戦となる。

アマチュア修斗欧州出場、オランダに存在したRINGS欧州ヘビー級&世界ヘビー王者に君臨するなど、来日経験がなくとも、日本マット界との縁が深いカンゴ。その打撃の強さには定評があるが、対照的にグラウンドスキルの精度の低さも有名だ。

ミアーも「リーチが長く、右のパンチは特に危険だ。でも、打撃戦に持ち込む必要はない。いかに組みついて倒すか。一、ニ度失敗しても、一旦グラウンドへ持ち込めば問題ない」と、寝技決着を宣言している。

そんなミアーに対し「おしゃべりが過ぎる。今回の試合で、人を敬うことを教えてやる」と嫌悪感を露わにするカンゴは、英国のウルフスレアージムでアントニオ・ブラガ・ネトの指導を受け、寝技の習得にも余念がない。

しかし、これまでの試合でみせたように、カンゴはなまじ人並み外れたパワーを持つため、どうしても力任せの雑なグラップリングとなり、隙を作ってしまう。その一瞬の隙が生じれば、かつてレスナーにヒザ十字を極めたミアーの関節技の餌食になることは十分に考えられる。

PPVラインナップで組まれたもう一つのヘビー級マッチには、UFCとストライクフォースという二つの世界ヘビー級王座挑戦経験のあるポール・ブエンテーロが、3年10カ月振りにオクタゴンに足を踏み入れる一戦となる。

かつてテキサス州アマリロにあって掌底ルールのシュートレスリング・プロモーション=USWF時代には、テコンドー出身ファイターとして鳴らしたブエンテーロだが、その後、AKAを本拠としキックの完成度を高めた。

本来はトッド・ダフィーと戦う――、最近のUFCで良くある復帰組に見られる厳しいマッチメイクだったが、ダフィーの負傷で、オランダのステファン・シュトルーフに対戦相手が変更された。

英国のリバプールで行なわれていたケージ・グラジエイター(現OMMAC=オリンピアMMAチャンピオンシップ)で、上に記したカンゴに寝技を指導するネトを下し、UFC関係者の目にとまったシュトルーフ。欧州大会要員として、スカウトされ、10月には米国初戦で勝利するなど、これまで2勝1敗のUFC戦績を残している。

非常に雑で荒い試合展開のなか、シュトルーフはリアネイキドチョークと三角絞めで、2つの勝利を挙げている。これらUFCでの勝利も含め18勝のうち7つの勝ち星が三角絞め、6試合がリアネイキドチョークで試合を極めているオランダ産極め技系のヘビー級ファイターだ。

ビッグネームとの対戦が皆無なため、真の実力は測定しかねるが、ブエンテーロとしては負けられないレベルの対戦相手となることは間違いない。

王座不在の乱世で、名を馳せるのは誰になるのか。TUFシーズン10勢も合流してくる今後という部分でも気になるヘビー級戦線だ。

■UFC107全対戦カード

<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
BJ・ペン(米国)
ディエゴ・サンチェス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランク・ミアー(米国)
チーク・カンゴ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
マイク・ピアース(米国)

<ライト級/5分3R>
ケニー・フロリアン(米国)
クレイ・グイダ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ステファン・シュトゥルーフ(オランダ)
ポール・ブエンテーロ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ウィルソン・ゴヘイア(ブラジル)
アラン・ベルチャー(米国)

<ライト級/5分3R>
シェーン・ネルソン(米国)
マット・ワイマン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国)
ヒカルド・ファンク(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ホウジマール・トキーニョ(ブラジル)
ルーチョ・リンハレス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ダマルケス・ジョンソン(米国)
エドガー・ガルシア(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ケビン・バーンズ(米国)
TJ・グラント(カナダ)