「クレヨンしんちゃん」が韓国で見れなくなる?

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韓国で長年放送されてきた「クレヨンしんちゃん」が危機に立たされている。韓国の放送通信審議委員会は、児童・青少年(15歳以下)が視聴する番組について、性的・暴力的に有害な内容を含んでいないかどうか重点審議を行うと発表した。特に、これまで父兄からの指摘が多かった「クレヨンしんちゃん」は、審議の中心になりそうだという。

1990年に『週刊Weekly漫画アクション』で連載を開始した漫画「クレヨンしんちゃん」は、元々は大人向けの漫画として出発している。日本でも性にまつわる表現や生意気な言動が問題視されたこともあったが、今では子供らしさが表現されているアニメとして子供から大人まで広く受け入れられている。

韓国では放送権を獲得したSBSが1999年から放送を開始し、日本同様に批判を浴びながらもアニメ専門チャンネルTooniverseで放送が続けられてきた。

だが、今回、放送審議委による審査基準(児童・青少年の知的水準や経験を考慮していない性的表現、健全な成長過程に悪影響を及ぼす言動、外見や人格を見下すような口調や礼儀をわきまえない言行)に「クレヨンしんちゃん」はまさに引っかかってしまうという。

ネットには「なんで自分たちの都合がいいように編集してしまうんだ?だから、韓国語版は嫌いなんだ」「青少年の犯罪の原因がまさか『クレヨンしんちゃん』にあるとでもいうのか?」「なぜ今更審議するんだ?」「ポロロやドゥリ(韓国のキャラクター)にも早く服を着せた方がいい」など、批判的な意見が寄せられている。

「クレヨンしんちゃん」は、韓国でも長年親しまれ人気を博してきた作品である。作者の臼井儀人氏が不慮の死を遂げた時には、韓国のニュース各社も大きく取り上げ哀悼の声が次々と寄せられた。

そんな「クレヨンしんちゃん」の放送が、大人の勝手な判断で都合よく編集されてしまうのだとしたら、とても残念なことである。

参照:ハンギョレ−性的・暴力「クレヨンしんちゃん」放置できない

(文:林 由美)

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