「クラウド」が花盛りだ。そのひとつはもちろん「クラウド・コンピューティング」だが、むしろ注目したいのは、同じクラウドでもクラウド(群集)だ。私たちはこれからこの2つのクラウドの中で生きていくことになる。

クラウドは技術かマーケティングか

 「クラウド」が花盛りだ。そのひとつはもちろん「クラウド・コンピューティング」であり、2年ほど前からアメリカで提唱されたネットワーク・コンピューティングの概念だ。最近の大手ITベンダーの広告アプローチはほとんどがこの「クラウド」であり、「クラウドを制する者がITを制す」といった感さえうかがえる。
 しかしこのクラウド・コンピューティングは、米国の調査会社Forrester Researchが、「破壊的テクノロジーになる」と言うように、IT業界の大きなうねりになると叫ばれているわりには、一般への浸透、理解はいまひとつ進まない。
 実際に、「単なるBuz用語にすぎない」「昔からあったネットワーク・コンピューティングとの違いも明確ではない」といった批判もよく耳にするし、定義自体あまりはっきりしない。
 GartnerはAmazon.comの「Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)」やGoogleの「Google App Engine」をその例として挙げながら、「スケーラビリティが非常に高いITシステムを『サービス』として提供するコンピューティング」としているそうだが、これで「なるほど」と膝を打つ人がはたして何人いるのだろうか。

 考えてもみれば、こうしたIT業界の流れは今に始まったことではなく、多くのアルファベット3文字の流行語がIT担当者から得意げに語られていたものだ。「ユビキタス」「ユーティリティ」など、最近あまりお目にかからなくなった言葉は数知れないし、マーケティング戦略の一部としての概念ならば、合点もいく。

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