財務リスクを考える前に、新型インフルエンザとERMの関係についてまとめてみます。

まず、本コラムを書くにあたり、前提とする考え方があります。

それは、SARSや鳥インフルエンザによるパンデミックが発生した場合には、事業継続性を維持すること自体にあまり意味がないと考えられることです。
もしそのような事態が発生すれば、超法規的措置によって金融システムは凍結され、事業継続よりも生命維持のみに注力することになります。

リーマンショック以降、海外輸出の減少により業績悪化に見舞われている製造業などで考えれば、パンデミックにより海外との交流が封鎖されれば、事業継続の可能性を探るのはかなり困難になります。

この点が、最近のパンデミック対策セミナーの中でも、財務リスクやBCPというキーワードを使っている内容が現実離れしているとされる理由なのです。

ただし鳥インフルエンザでも、豚起因のインフルエンザであっても、被害想定は明確にできませんが「未知の感染症によるリスク」という枠組みの中で、現実的なリスク想定と対策を考えておきたいと思います。

まず初めに、「ERM」について。

上場企業が金融商品取引法に対応するための内部統制体制構築の際に目にする用語ではありますが、COSOではERMを以下のように定義しています。

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ERMは事業体における取締役会、マネジメント、そのほかのスタッフによって遂行され、事業体全体の戦略策定に適用される1つのプロセスである。
事業体に影響を及ぼす発生可能な事象を特定し、事業体のリスク想定に応じたリスクマネジメントが実施できるように設計され、事業体の目的達成に関して合理的な保証を提供することが目的である。

「Enterprise Risk Management ― Integrated Framework」
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