21日のプレミアリーグ第13節のウォルヴァーハンプトン戦で、チェルシーのガエル・カクタ(18)が59分からアネルカに代わって投入され、公式戦デビューを果たした。

 カクタはフランス北部のラシン・クラブ・ド・ランスで育成され、2007年にチェルシーに引き抜かれた。この際にランスとの契約破棄で違反があったとして、チェルシーには2011年までの選手獲得禁止(現時点で処分は凍結)、カクタ本人には4ヶ月の出場停止という厳しい処分がFIFAから下された。

 またカクタは公式戦デビューを準備していた今年の2月に、脚とくるぶしの骨折という重傷を負い、8ヶ月の離脱を強いられていた。一部からは選手生命を危ぶむ声も上がったが、ケガは完治し、出場停止も解けて今回のデビューに至った。

 レキップ紙によると、チェルシーのアンチェロッティ監督はカクタについて、「偉大な才能の持ち主。とてもよく練習しており、まだ非常に若いが、デビューさせるのにいいタイミングだと思った」と評価している。

 名門を渡り歩いた同監督をして「この年齢でこれほどすごい若手は見たことがない」と言わしめるほどの逸材であるカクタ。ポジションはトップ下の左サイドを得意とする。小柄で俊敏なドリブルテクニックをもち、左を利き足とするところから、“フランスのメッシ”と呼ばれることが多い。

 昨季はフランスU-18代表の5試合に出場し3ゴール、今季はU-19代表として4試合で2ゴール。フランスの次世代でもっとも期待される選手のひとりである。1月にチェルシーがアフリカネーションズカップで多くの主力を欠く中、どこまで頭角を現すか注目だ。