<今週の悩める患者さん>
つい先日、子宮頸がんのワクチンが認可されたと、ニュースで知りました! これは我々女性にとってとてもウレシイニュースなのではないかと。ただ、いつから私たちが接種できるのだろうとか、皆にワクチンが行きわたるのかとか、負担はどれくらいなんだろうとか、ほんとにがんにはならないのだろうかとか、全くわからないし副作用とかもあるのでは?と、いろいろ教えてください!
(31歳 陽子)

<なおみ先生の処方箋>
ニュースを見て勘違いしている方も多いみたいですが、9月末に正式承認された「サーバリクス」というワクチンは「HPV16型と18型」を予防するワクチンであって、子宮頸癌の予防ワクチンではないんですよ。だから、このワクチンを打ったからといって、絶対に子宮頸癌にならないというわけではありません。子宮頸癌の原因は、HPVというウイルスの「ハイリスクタイプ」と呼ばれる種類に感染する事と言われています。ハイリスクタイプのうち、最も多いのが16型と18型で、日本人の子宮頸癌の約50%はこのタイプが原因になっています。逆にいったら、残りの半分は他のタイプが原因になってるってこと。海外に比べて日本人は52型や58型などワクチンでは予防できないタイプのウイルスが原因になっている事が多いので、あくまで癌の原因を「半分に減らせる」ってだけなんです。 もちろん、癌のリスクを半分にできるというのはとても意味があることですけどね。

ワクチンが接種できるのは早ければ年内と言われていますが、具体的にいつから販売になるかはまだ分かっていません。また、何歳を対象に集団接種をするのかとか、接種の対象に制限を設けるのかなど、細かい事はまったく決まっていないんですよ。一応26歳までの有効性は確認できていますが、海外のデータでは45歳くらいまででも接種する意味はあるとしているものもあったりします。ただ、少なくとも20歳以上の人は国の公費で接種する対象にはならないので、自己負担で打たなければいけませんね。 1クール=3回の接種費用は約5万円です。重篤な副作用は特に出ていませんが、普通の予防接種と一緒で打ったところが腫れるとか赤くなるといったものは少数報告があるようです。

ワクチンはあくまで「新たな感染」を防ぐためのものなので、現在すでにHPV16型や18型に感染している人は接種する意味がないんですよ。過去にHPVに感染したことがあっても、現在HPVが陰性化していれば今後の感染予防のために接種しておいた方がいいと言えます。 27歳以上でも、まだ結婚していなくてパートナーチェンジの可能性がある人、つまり新たにHPVに感染する可能性がある人は自己負担であっても接種しておいた方がベターでしょうね。 ただ、ワクチンを打っても癌になるリスクはあるので、1年に1回の子宮癌検診は必ず受けてくださいね。

<なおみ先生のワンポイントアドバイス>
☆26歳以下で現在HPVに感染していない
→ワクチンが発売されたらただちに接種した方がベター

☆27歳以上で未婚で現在HPVに感染していない
→パートナーチェンジの可能性があれば一応接種しておいた方がベター

☆現在HPV16型・18型に感染している
→ワクチンの効果は期待できず......年に1回の子宮癌検診をきちんと受けましょう