「コンピューターに詳しいと公言してはばからない部長。ただ、なぜかパワーポイントを使う文書は『忙しい』『会議がある』と言い訳しつつ、私たち女性部下にやらせるんです。素直に『パワーポイントは使えないから、お願い』って頼めばいいのに。その器の小ささに、何かガッカリです……」

 こう話してくれたのは、運輸会社で事務を担っているE子さん。

 上司としては、

「すべてが部下より秀でていなくてはならない」
「部下にバカにされる」

 という思い込みがまずあり、とりわけ異性である女性の前では、

「尊敬されたい」
「ステキに見られたい」

という思いも相まって、「できないからお願い」と素直に言えず、何やかやと理由をつけてしまうのでしょう。

 しかし、冒頭での言葉に代表されるように、敏感な女性部下には「自分ができないことを隠して頼んでいる」と、とっくの昔にバレているのです。

 また、ある大手メーカーの課長からこんな話を聞きました。その課長の部署に、あるとき役員が書類を受け取りにやってきたのですが、なかなか立ち去ろうとせず部署内をウロウロしているというのです。

「どうしたんですか?」
「キミ……コピーの取り方を教えてくれないか?」
「……」

 周囲にはたくさんの女性社員がいるにもかかわらず、彼は40代の課長にしか声を掛けられなかったのです。昔は庶務を担ってくれる一般職の女性社員がいるのが普通でしたが、一般職は派遣社員化が進んでおり、お茶くみやコピー取りにしても「自分である程度はできないと」という時流の流れを役員も感じ取っていたのでしょう。ましてや、キャリア志向の女性部下を前にすると「私はコピーをとるために会社に入ったのではありません」などと下手に反発を買いたくないという心理も働いてしまいます。

 こうしたパソコンやコピーといったOA機器の操作のほかにも、畑違いの部署でマネジメントをしている、マネジメントに専念している、といった場合だと、「知らない」ことが弱みになると感じ、

「現場を離れてしまったので最新事情に疎くなってわからない用語があるが、女性部下には絶対聞けない」

「会議でわからない言葉があったが、知ったかぶりしてトンチンカンな受け答えをして場を凍りつかせた」

 など、女性部下の前でつい見栄を張ってしまったことがあるかもしれません。

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