TUFシーズン3優勝、ミドル級世界王座を狙うマイケル・ビスピンは地元にほど近いマンチェスターで復帰戦を迎える

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マンチェスターのイブニングニュース・アリーナで14日(土・現地時間)に開催されるUFC105「COUTURE vs VERA」。今年3度目の英国大会は米国内でのPPV中継はなく、SPIKETVでのペイフリー放映ということもあり、メインカードには、TUF出身の英国勢ファイターが勢揃いしている。

「世界中の人が見ている、最も注目された大会でKO負けしたんだ。その事実は隠せるものじゃない。僕はKOで敗れた。この負けを帳消しにするファイトが必要だ。ハードトレーニングを積んで、100%の体調でデニス・カーンを徹底的にやる」とマイケル・ビスピン。7月11日、UFCにとって記念すべき100回大会でTUFシーズン9コーチ対決として行なわれたダン・ヘンダーソン戦で失神KO負けを喫した彼は、地元リバプール・エリアから1時間ほどのマンチェスターというホームで復帰を期す。

その地元開催がビスピンにとってのディスアドンバージになる語るのは、対戦相手のデニス・カーンだ。「地元のファンの前で、最大の注目を集める舞台で、KO負けからの復活を印象つける試合をしないといけない。僕よりずっとプレッシャーが多い中で戦うことになる。僕は右のパンチに自信を持っている。しっかりと自分の力を見極める試合になる」とカーン。

PRIDE時代のような際だった強さをオクタゴンでは、まだ発揮できていないカーン、その1勝1敗のUFC戦績は、7勝2敗というビスピンのソレと比較し、そのまま認知度の差に繋がっている。

意外にもオールラウンダーなピスピンは、レスリングやグラップリングなど、MMAに必要な知識を豊富に有しており、柔術やボクシングと、MMAと切り離した部分でスキルアップをしていたカーンの世代と比較しても、それぞれの技術に融合性が目立つ。

英国〜TUFという最短距離でキャリアを重ねてきたビスピンに対し、カナダ、韓国、日本、ロシアで45戦になろう経験をカーンは積んできた。その分、彼にはダメージの蓄積があるという見方もできるが、ビスピンも前回のKO負けによって、どれだけ耐久力を維持しているかは疑問だ。

スタンドキープを軸とした最先端MMAを忠実に実行するビスピンと、いかなる局面でも攻め重視でやってきたカーンのミドル級戦、勝負の行方を占うのは困難な一戦だ。

ビスピンがTUFシーズン3優勝、その彼がコーチを務めたシーズン8のライト級を制したロス・ピアソンや、ミドル級優勝者ジェイムス・ウィルクスら英国産TUFファイターの名前が連なる今大会のメインカード。そのなかには、ダン・ハーディの名を見ることができる。

UFCデビュー以来3連勝中の彼は、母国ケージウォリアーズや日本のケージフォースでキャリアを積んだ叩き上げで、途中オランダの2H2HでPRIDE出場を掛けたトーナメントで敗北を喫するなど、紆余曲折を経てスターダムにのし上がってきた。

ケージフォース来日時は、スタンド中心でレスリングに難があるファイターとして、ノーマークの存在だったが、エディ・ブラボー門下10thプラネット柔術での出稽古の効果により、卓越したガードワークを披露するようになった。

UFC出場を果たした後は、レスリングでも力をつけており、名前先行のTUF9ファイターよりも確かな実力を有しているといえる。そのハーディを「僕の方がオールラウンダー。打撃でも寝技でも、どういう試合展開になっても問題ない」と切って捨てたのが、対戦相手のマイク・スウィックだ。

本来は9月のUFC103でマーティン・カンプマンと対戦し、勝者がGSPへの次期挑戦権を得る予定だったが、負傷欠場。代役出場となったポール・デイリーが、UFC初戦でカンプマンをTKOで下したことにより、ウェルター級挑戦権争いは仕切り直されることとなった。