“博物館がいっぱい”墨田区のディープな一面をのぞいてみた

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東京スカイツリーの誕生が待たれる注目のスポット、東京都墨田区。そこには“小さな博物館”が立ち並んでいるのをご存じだろうか。一体どんなマニアックな博物館があるのかと、早速墨田区を訪れてみた。

【小さな博物館画像】“染物の極め”江戸小紋に取り組む「すみだマイスター」中條さん

まずは、墨田区役所で「3M運動ガイドマップ」という名称の地図をもらって、いざ出発。“3M運動”とは、“Museum(博物館)”“Manufacturing Shop(工房ショップ)”“Meister(マイスター)”の“M”を取って名付けた運動の名称だ。墨田区の“産業”や“文化”に関するコレクションを「小さな博物館」で紹介し、工房と店舗が一体化した「工房ショップ」でオリジナル商品を販売、優れた“技”を普及・継承する技術者を「すみだマイスター」と認定するユニークな運動で、伝統や技術を広く知ってもらおうという区の企画なのだ。

江戸小紋や押絵羽子板など、江戸時代から続く伝統工芸品や、時計・ブレーキなどを開発する現代の産業まで、目で見て、手で触って5感で楽しむことができる「小さな博物館」たち。“小さな”とはいうものの、そこには深い世界が広がっている。

最初に訪れたのは、数々の受賞歴を持つ染物のマイスター、中條隆一さん(67)が取り組む“江戸小紋染”の展示博物館「江戸小紋博物館」。伝統工芸の江戸小紋をはじめ、極細の文様に切り抜かれた型紙、江戸時代からの小紋の見本帳などが展示されている。また、ショップでは、江戸小紋で染め上げた革製品やブラウスなど、さまざまな素材のアイテムを販売。革製品に江戸小紋を施しているのは、ここが日本で唯一だという。予約をすれば、ランチョンマットへの色づけも体験できるから要チェック。「日本の文化を知ってほしい」という思いで、若い人や外国人の観光客にも教えているそうだ。ちなみに、この江戸小紋には“ごぼうの切り口”や“かたつむり”などの面白い文様が山ほどあり、見本帳を見てみると昔の人の遊び心を感じることができて楽しい。

次は、館内に珍しい光景が広がる「新藤暦(こよみ)展示館」。なんと、ここには62か国以上の世界のカレンダーがそろっている。さまざまなデザインがある中で、注目は“翡翠(ひすい)のオブジェ入り”カレンダー。中国のものなのだが、説明員の方によると、銀行で配布している富裕層向けの無料カレンダーだそう。“暦”ひとつで各国の世相まで見えてくるから面白い。古来の暦から、現代のカレンダーまで展示するこちら、もともとは印刷工場だというが、「世界の色彩術を知っておこう」という社長の気持ちから開館したのだとか。小学生や大学教授、世界の大使なども訪れるというから、“暦”の知識を深めることのできる場所として幅広い層にオススメ。

約1万1000点のウオッチやクロックなどが収蔵されている「セイコー時計資料館」は、日本の時計産業の発展について紹介している。17世紀から18世紀に使われた江戸時代の和時計や、ヨーロッパの大きな鉄枠塔時計、世界初のクオーツ掛け時計など、一見の価値がある時計が勢ぞろい。約80年前に作られたというガラスの置時計は今見てもかわいく、魅力的。副参事の秋沢さんは、「ソーラーで動く腕時計や運動による自己発電“キネティック”の開発にも力を入れています」と、セイコーの新技術についても丁寧に説明してくれた。時計産業の未来にも、思いを馳せることができる見学だ。

「3M運動ガイドマップ」に掲載されている、見どころ満載の「小さな博物館」は全部で25か所。鉄道マニア必見の「ブレーキ博物館」や、両国ならではの「相撲写真資料館」など、面白そうな博物館がまだまだたくさんある。「“ものづくりの町”墨田区へ、ぜひお越しください。日本の“ものづくり”の力強さを体感できる博物館がたくさんあります。事前に予約して、館長さんのお話を聞きながら観覧するのがお勧めです」と墨田区役所の広報担当者。2012年に登場予定のスカイツリーを見に行く際は、ぜひ墨田区で「小さな博物館」巡りも同時にしてみては?【東京ウォーカー】

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