鍾乳洞「秋芳洞」 エコの光LEDに活路
2009年11月08日16時17分 / 提供:産経新聞
国内最大のカルスト台地「秋吉台」の地下で、幻想的な世界を織りなす大規模な鍾乳洞「秋芳洞」(山口県美祢市)。学術的価値の高さから国特別天然記念物に指定される一方、中国地方屈指の集客力を誇る観光資源でもある。しかし、この名勝で深刻な問題になっているのが洞内の“緑化”。観光用の照明が、本来存在しない植物を育ててしまっているのだという。「環境」と「観光」という一見、相反する命題に悩んできた地元・美祢市は今年度、洞内の照明を“エコの光”として注目されるLED(発光ダイオード)に全面的に切り替える事業に着手する。(山口支局 小林宏之)
■太陽光なし、暗闇に貴重な生態系
「太陽光が届かず、暗闇が延々と続く秋芳洞の中は、気温は年間を通じて17度前後で一定。このため、植物は育たず、洞内だけに住む固有の生物が50種以上も見つかっている。独特の貴重な生態系が形作られているんですよ」
秋吉台、秋芳洞の自然を見守り続けてきた庫本正・秋吉台科学博物館名誉館長が力説する。
「シコクヨコエビ」「アキヨシシロアヤトビムシ」など洞内固有の生物は、目が退化し、体が透き通っているのが共通した特徴。これらは洞内だけに生息し、数種類のコウモリだけが洞内外を行き来している。
「数十万年の歳月をかけてできたこの環境を一変させたのが、観光用に設置された照明なんです」。庫本さんは、心配そうに語った。
■洞内で光合成、固有の環境が危機に
古くから「滝穴」としてその存在が知られていた秋芳洞は、明治42年に観光用の鍾乳洞として公開を開始。現在では、通路を照らす足下灯と、「百枚皿」や「黄金柱」などの見どころを照らすスポット灯を合わせ、計155基の蛍光灯や白熱灯、水銀灯などが取り付けられている。
明かりが照射された鍾乳石や岩肌には、藻類やコケ、シダなどの植物が繁殖して緑色に覆われたり、黒ずんだりした個所が見られる。本来、洞内に育つはずのない植物が入り込み、電灯の明かりで光合成をし、成長しているというわけだ。
「景観を損ねるだけでなく、植物の根が岩などを傷める恐れも」と庫本さん。長い期間をかけて育まれてきた秋芳洞固有の環境が、危機にあるのは確かなようだ。
■植物の生育15%抑制、LED照明に効果
こうした状況に対し、「次世代の光として注目されているLEDを活用できないか」と考えたのが、県産業技術センターの電子応用グループだ。
平成19年度に研究を始めた同グループは、同年10月〜20年10月の1年間、洞内に設置された蛍光灯の1つを、試作したLED照明に取り換えて植物の生育状況などを調査。この結果、LED照明は、付近の蛍光灯に比べて植物の生育を15%抑制したことが分かった。
「さらに、消費電力量は蛍光灯の半分、発熱量は3割低減できた」と、川村宗弘・グループリーダーは説明する。
別の実験では、緑色光が光合成を抑制する効果があることも知られている。「LEDは波長のコントロールが簡単。今後、緑色を含みながら、人の目にも違和感のない光を作り出したい」と川村さんは意気込む。
■洞内の照明、すべてLEDに
こうした取り組みと並行し、秋芳洞を管理する美祢市は、洞内の照明をすべてLED照明に転換する方針を打ち出した。
「現状では、照明が洞内環境に悪影響を及ぼしているのは明らか。さらに既存の機材は老朽化が進み、何らかの変更、改修が必要だった」と市総合観光部。「緑化の抑制だけでなく、洞内温度の維持や、電力使用量の削減などにつながる上、従来の照明に比べてデザインの自由度が高いというのも魅力的」と期待する。
観光用に公開されて今年で100周年を迎えた秋芳洞。「自然保護」と「観光振興」の共存に挑む年としても、大きな節目となりそうだ。
「秋芳洞」 もともと海の中でサンゴ礁として誕生し、その後石灰岩が発達したカルスト台地になったという秋吉台。そこからしみ込んだ地下水の浸食により地下に形作られた450以上もの洞窟の中で、総延長10キロと東洋屈指の規模を誇る鍾乳洞のこと。古くから「滝穴」としてその存在が知られていたが、その一部を明治42年に観光用として公開。大正15年に当時皇太子だった昭和天皇が訪問された際、「秋芳洞」と命名。平成17年には秋芳洞を含む秋吉台の地下水系がラムサール条約に登録された。
現在、洞内約1キロが観光コースとして開放され、約40分〜1時間で見学できるという。所在地=山口県美祢市秋芳町秋吉。入洞時間=午前8時半〜午後4時半。入洞料金=大人1200円から。問い合わせ先=美祢市総合観光部(電)0837・62・0304
関連ニュース:LED
- 2万円を切る地上デジタル放送対応テレビが登場、エコポイントも7000点付与GIGAZINE 11月18日11時22分(9)
- “世界最薄”モバイルノート「Adamo XPS」の秘密に迫る
+D PC USER 11月23日17時18分(6) - 日本エイサー、世界唯一のフェラーリ公認ノートPCを11月27日に発売
BCNランキング 11月18日13時17分(1) - 国内PCベンダーでは最も安価なデュアルコアCULVノートPC「FMV-BIBLO LOOX C/E50」を試す
+D PC USER 11月24日01時17分 - 「Make: Tokyo Meeting 04」に行ってきたよ!ニュースブロガー 11月23日06時35分
- << 「いい歳して独身」の男の…
- 国内一覧
- エレベーター安全神話崩壊… >>
国内アクセスランキング
- 陸自隊員が改造車で“暴走” 大阪府警が逮捕産経新聞 23日20時14分
- このままでは有権者の心は離れていく一方ゲンダイネット 23日10時00分(38)
- 県警が事情聴取した「パチンコ屋の男」ゲンダイネット 23日10時00分(9)
- 恋愛相談師による「イケメンに限らずモテる男」の3タイプとは?COBS ONLINE 23日00時00分(14)
- 現代よりも離婚率は高かった!? 明治時代の「リカツ」事情
メンズサイゾー 23日08時00分(5) - 沖縄の真実軍事評論家=佐藤守のブログ日記 23日12時47分
- 「事業仕分け」から「大臣就任説」まで 広瀬香美・勝間和代と蓮舫議員が「鼎談」
J-CASTニュース 23日00時31分(21) - 「高校無料化」などより先にやるべき事アゴラ 23日10時00分(11)
- [小沢幹事長]次の一手は? 女流本因坊と対局毎日新聞 23日21時33分
- 何に使ったんだ!機密費1億2000万円ゲンダイネット 23日10時00分(10)
加齢臭の防ぎ方を、本気で考えた40代から発生すると言われる加齢臭。防ぎたいと悩む男性は多いが、
いくら体を洗っても、ケアは難しい。そこで、発生原因から考えれば、
解決策が見えるのではと、真剣に調べると…なるほど!
加齢臭を防ぐ秘密≫
















行きの電車、帰りの電車で