元駐レバノン特命全権大使、作家。
鳩山首相には石橋湛山のような側近政治家が必要だ
2009年11月07日18時38分 / 提供:天木直人のブログ
まじかに迫ったオバマ大統領との首脳会談を前にして、鳩山首相には是非とも知ってもらいたい事がある。
それは米国のアフガン戦争は間違いだと言って辞表を叩きつけた米国外交官マシュー・ホーのアフガン分析である。
36歳のこの米国外交官の名前を私が初めて目にしたのは10月28日のワシントン発時事の配信記事であった。
その記事は次のような短い記事であった。
「27日付の米紙ワシントン・ポストは、アフガニスタンのイスラム武装勢力タリバン支配地域に
駐在していた米外交官が、アフガン戦争に反対して9月に辞任していたと報じた。米政府当局者が
アフガン戦争への抗議のために辞任するのははじめてという」
この記事はしかし、日本の新聞ではまったくと言っていいほど取り上げられなかった。この事を知っている日本人はほとんどいないに違いない。
しかしインターネット上で流れているマシュー・ホー氏の国務省宛ての辞表を読めば、心ある者は感動に胸が震えるだろう。
A4版で3ページ半ほどのその辞表こそ、米国の8年に及ぶアフガン戦争の間違いを見事に言い当てている。
アフガン戦争に兵士を送り続けた人事責任者の一人であった彼が言うのは、この戦争は戦略の間違いではない。戦争そのものが間違っている、と言うのだ。
その間違った戦争に米国の若者の命や米国の資金を投入する意義は微塵もない。
そう訴える彼の辞表の内容をここで詳しく紹介する余裕はないので、興味のある読者の為に以下に関連サイトを掲げておく。
ここでは、マシュー・ホー氏の辞表の中で私がもっとも注目した個所は、すなわち、米軍や外国軍はもとより、カルザイ政権とその下で働く警察組織さえも、アフガン主要部族パシュトゥン人たちにとっては、部外者であり占領者、抑圧者である。
だから彼らが存在する限り抵抗はなくならない。外部の勢力がアフガンを統治する限りアフガンの安定はない、と。
それが事実とすれば、日本が行おうとしているアフガン支援は、決して本物の人道・復興支援ではない。それどころか、アフガン国民に敵対する資金協力ということになる。
鳩山政権が当然の事のように表明しようとしているアフガン支援は、アフガン大衆の抵抗の標的である占領者米国とその傀儡政権、警察に対する支援という事になるのだ。
外務官僚はこのマシュー・ホー氏の辞表を読んだことがあるのか。岡田外相はそれを知っているのか。
いや外務官僚や岡田外相はどうでもいい。少なくとも鳩山首相にはこのマシュー・ホー氏の存在を知ってほしい。そしてその辞表書簡に目を通してもらいたい。
その書簡は外務官僚のいかなるブリーフィング資料よりもはるかに価値がある。
鳩山首相は今、米国とその米国に魂を売り渡して迎合する自民党政治家、官僚、メディアなどの包囲網の中にある。
たとえば今日(11月7日)の新聞を見ただけでも「日米同盟を危うくしてはいけない」のオンパレードだ。
「同盟の弱体化を避けよ」(北岡伸一東大教授─日経)。「揺らぐ日米同盟」(古森義久─産経)。
「日米の認識の落差を憂う」(香田洋二元海将─読売)、「(普天間基地移設合意の)遅れは同盟に影響」(ローレス前米国防副次官─毎日)、「首脳会談直前 きしむ日米」(朝日)などなどである。
特に朝日新聞の記事の中に掲載されていた外務省幹部の次の言葉は噴飯ものである。
「ここ1,2カ月が勝負。失敗すれば『民主党政権とは何をやってもだめだ』という米側の評価が定着する」
このような恫喝を前にして、民主党の政治家はもとより、連立政権を組んだ社民党の政治家を含め、誰ひとりとして鳩山首相を勇気づける者はいない。
米同盟関係の鎖を断ち切り、平和憲法を掲げた自主、独立した外交こそが日本を救う道だ、と堂々と語る者はただの一人もいない。
鳩山首相を孤立させてはいけない。いまこそ鳩山一郎内閣の閣僚であった石橋湛山が必要だ。
米国の理不尽な圧力など無視せよ、正しい対米関係を貫け、と鳩山首相に進言できる重要閣僚が側近の中で現れてこなくてはいけない。
「正しい事を主張している日本であるにもかかわらず、そんな日本との関係を不要であると米国が言い出すなら、しょせんそのような米国との関係は、決して日本にとって重要なものではないということだ」
そう国民の前で堂々と公言できる気骨ある民主党の政治家はいないのか。
見ているがいい。米国は「テロとの戦い」に自らを滅ぼすことになる。
マシュー・ホーのように真実を語る勇者こそ最後に勝利する者だ。
正しいことほど強いものはない。
・記事をブログで読む
それは米国のアフガン戦争は間違いだと言って辞表を叩きつけた米国外交官マシュー・ホーのアフガン分析である。
36歳のこの米国外交官の名前を私が初めて目にしたのは10月28日のワシントン発時事の配信記事であった。
その記事は次のような短い記事であった。
「27日付の米紙ワシントン・ポストは、アフガニスタンのイスラム武装勢力タリバン支配地域に
駐在していた米外交官が、アフガン戦争に反対して9月に辞任していたと報じた。米政府当局者が
アフガン戦争への抗議のために辞任するのははじめてという」
この記事はしかし、日本の新聞ではまったくと言っていいほど取り上げられなかった。この事を知っている日本人はほとんどいないに違いない。
しかしインターネット上で流れているマシュー・ホー氏の国務省宛ての辞表を読めば、心ある者は感動に胸が震えるだろう。
A4版で3ページ半ほどのその辞表こそ、米国の8年に及ぶアフガン戦争の間違いを見事に言い当てている。
アフガン戦争に兵士を送り続けた人事責任者の一人であった彼が言うのは、この戦争は戦略の間違いではない。戦争そのものが間違っている、と言うのだ。
その間違った戦争に米国の若者の命や米国の資金を投入する意義は微塵もない。
そう訴える彼の辞表の内容をここで詳しく紹介する余裕はないので、興味のある読者の為に以下に関連サイトを掲げておく。
ここでは、マシュー・ホー氏の辞表の中で私がもっとも注目した個所は、すなわち、米軍や外国軍はもとより、カルザイ政権とその下で働く警察組織さえも、アフガン主要部族パシュトゥン人たちにとっては、部外者であり占領者、抑圧者である。
だから彼らが存在する限り抵抗はなくならない。外部の勢力がアフガンを統治する限りアフガンの安定はない、と。
それが事実とすれば、日本が行おうとしているアフガン支援は、決して本物の人道・復興支援ではない。それどころか、アフガン国民に敵対する資金協力ということになる。
鳩山政権が当然の事のように表明しようとしているアフガン支援は、アフガン大衆の抵抗の標的である占領者米国とその傀儡政権、警察に対する支援という事になるのだ。
外務官僚はこのマシュー・ホー氏の辞表を読んだことがあるのか。岡田外相はそれを知っているのか。
いや外務官僚や岡田外相はどうでもいい。少なくとも鳩山首相にはこのマシュー・ホー氏の存在を知ってほしい。そしてその辞表書簡に目を通してもらいたい。
その書簡は外務官僚のいかなるブリーフィング資料よりもはるかに価値がある。
鳩山首相は今、米国とその米国に魂を売り渡して迎合する自民党政治家、官僚、メディアなどの包囲網の中にある。
たとえば今日(11月7日)の新聞を見ただけでも「日米同盟を危うくしてはいけない」のオンパレードだ。
「同盟の弱体化を避けよ」(北岡伸一東大教授─日経)。「揺らぐ日米同盟」(古森義久─産経)。
「日米の認識の落差を憂う」(香田洋二元海将─読売)、「(普天間基地移設合意の)遅れは同盟に影響」(ローレス前米国防副次官─毎日)、「首脳会談直前 きしむ日米」(朝日)などなどである。
特に朝日新聞の記事の中に掲載されていた外務省幹部の次の言葉は噴飯ものである。
「ここ1,2カ月が勝負。失敗すれば『民主党政権とは何をやってもだめだ』という米側の評価が定着する」
このような恫喝を前にして、民主党の政治家はもとより、連立政権を組んだ社民党の政治家を含め、誰ひとりとして鳩山首相を勇気づける者はいない。
米同盟関係の鎖を断ち切り、平和憲法を掲げた自主、独立した外交こそが日本を救う道だ、と堂々と語る者はただの一人もいない。
鳩山首相を孤立させてはいけない。いまこそ鳩山一郎内閣の閣僚であった石橋湛山が必要だ。
米国の理不尽な圧力など無視せよ、正しい対米関係を貫け、と鳩山首相に進言できる重要閣僚が側近の中で現れてこなくてはいけない。
「正しい事を主張している日本であるにもかかわらず、そんな日本との関係を不要であると米国が言い出すなら、しょせんそのような米国との関係は、決して日本にとって重要なものではないということだ」
そう国民の前で堂々と公言できる気骨ある民主党の政治家はいないのか。
見ているがいい。米国は「テロとの戦い」に自らを滅ぼすことになる。
マシュー・ホーのように真実を語る勇者こそ最後に勝利する者だ。
正しいことほど強いものはない。
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