少年・男性向けコミック誌の部数変化をグラフ化してみる(2009年7月〜9月データ)
2009年11月08日07時34分 / 提供:Garbagenews.com
【社団法人日本雑誌協会】は2009年11月6日、2009年7月から9月分の印刷部数を公表した。主要定期発刊誌の販売数を「印刷証明付き部数」ベースで公開したデータで、正確さでは各紙・各出版社が発表している「公称」部数よりはるかに高い。今回は、読者層を考慮してもっとも興味がそそられるであろう「少年・男性向けコミック誌」のデータをグラフ化し、前回発表分データからの推移を眺めてみることにする。具体的なデータは、【直近が2009年7月〜9月のもの】。前回の記事【少年・男性向けコミック誌の部数の変化をグラフ化してみる(2009年4月〜6月データ)】ではデータが2009年4月から6月のものだったので、それから3か月が経過したことになる。登場する冊子数はいずれも「1号あたりの平均印刷部数」で、印刷証明付きのもの。つまり「この部数を間違いなく刷りました」という証明がついたもので、雑誌社側の「公称部数」ではなく、また「販売部数」でもない。雑誌毎に季節による売上の変動や個別の事情(人気連載の終了、開始、折り込み付録etc.)があり、そのまま比較すると問題が生じる雑誌もあるが、その場合は個別で説明していくことにする。どこまで雑誌数の印刷(≒販売)部数が変わっているが気になるところ。
まずは少年向けコミック誌。週刊少年ジャンプがトップにあることに違いはナシ。

2009年1〜3月期と最新データ(2009年7〜9月期)による少年向けコミック誌の印刷実績
「ジャンプ」は直近データで284万0000部。販売実数はこれよりも少なくなるので、前回と同じく250万部前後だろうか。
今回から新たに講談社の「月刊少年ライバル」が加わっているが、創刊は2008年4月のため、発売から1年以上経過してのデータ公開となる。いくつかの雑誌でやや大きな変移が見られるが、これもまた時勢によるものだろうか。計測対象となった14誌のうち、前期と比べて部数を伸ばしたのは「週刊少年ジャンプ」のみ。
続いて男性向けコミック誌。こちらも世間一般のイメージ通りの印刷部数展開。

2009年4〜6月期と最新データ(2009年7〜9月期)による男性向けコミック誌の印刷実績
こちらは少年向けコミック誌と比べれば大きな変化はない。さらに幸いも休廃刊・情報非開示となった雑誌もないが、全般的にマイナス傾向が続いている。これは前回分データにも見られた動きで、季節特性云々を別にして男性向けコミック誌の購入対象層の購買力が落ちているのではないかという懸念も浮かんでくる。
さて、一応2期間の印刷部数を棒グラフ化したわけだが、続いてこのデータを元に各誌の販売数変移を計算し、こちらもグラフ化してみることにする。短期間の変移ではむしろこちらのデータの方が重要だろう。
要は約3か月間にどれだけ印刷部数(≒販売部数)の変化があったかという割合を示すものだ。なお当然ながら、今回データが非開示となった雑誌、今回はじめてデータが公開された雑誌はこのグラフには登場しない。

雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌)
2誌ほど10%超えの
マイナス値を観測。
続いて男性向けコミック。

雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック)
プラスを記録したのは、毎回何かとお騒がせの風雲児「ヤングアニマル嵐」のみ。くだんの三兄弟「コミック乱」「コミック乱ツインズ」「コミック乱ツインズ戦国武将列伝」はすべてマイナス。やはりサラリーマンなどを対象としているだけあり、季節属性によるマイナス影響は少なからぬものがあるのだろう。
さて一連の定点観測を続けているわけだが、前回から過去のデータを用いた「前年同期比」のデータを算出することができるようになった。今回もいわゆる「季節属性」を考慮しなくても済む「前年同期比」のグラフも掲載する。

雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌、前年同期比)
上記のグラフと比べると掲載紙が少なくなっているが、これは「最新期でデータ未公開の雑誌」「過去一年分のデータがそろっていない雑誌」は除外しているため。前者はともかく後者は、「前年同期」のデータが無いのだから仕方がない。
このようにしてみると、一部の勝ち組雑誌「コロコロコミックス」「週刊少年ジャンプ」「少年エース」など以外は、ほぼすべての雑誌で苦戦を強いられているのが分かる。特に週中発売の二大週刊誌「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」の両誌、特に後者の現状が気になるところ。さらに今期・前期との差異も大きかった「少年サンデースーパー」における、前年同期での下落ぶりは特筆すべきものといえる。何か方針の転換でもあったのだろうか。
続いて男性向けコミック。

雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック誌、前年同期比)
前期における前年同期比では唯一プラスを見せていた「ヤングアニマル嵐」もマイナス値を見せているが、それよりもその「嵐」誌以外の全誌が前年同期比でマイナス5%以上の下落を記録しているのに注目。それだけ雑誌が売れなくなっているということなのだろう。
今回参照したデータのうち「単純前期比」においては、今期が夏休み中のために通勤途中で買われやすい雑誌ほど売れない傾向を見せ、やや特異なデータとなった可能性がある。しかしながら前年同期比とあわせて確認すると、それが単に「季節属性」によるものだけではないことが分かる。
特に「前年同期比」グラフでは、グラフの作成時にマイナス5%超えの赤着色を連続しなければならないのが辛くなるほどの多さだった。前期同様に「前年同期比」でも奮闘している「コロコロコミックス」「週刊少年ジャンプ」「ヤングアニマル嵐」に、少年・男性向け雑誌販売の秘訣が隠されている気がするのだが、それはいったい何なのだろうか。それがすぐに分かり、実践できるようなシロモノならば、苦労はしないのだが(*sigh*)。
■関連記事:
【少年・男性向けコミック誌の部数の変化をグラフ化してみる(2009年4月〜6月データ)】
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