前回は、「上虚下実」における「上虚」、ならびに「末虚中実(注)」の「末虚」は、上半身をリラックスさせるということを意味し、上半身をリラックスさせるためには肩甲骨を中心とする肩関節の動的柔軟性を高めることが重要であると説明させて頂きました。そこで、今回は肩甲骨を中心とする肩関節の動的柔軟性を向上させるためのアプローチについて解説してみたいと思います。

■肩関節は可動性・安定性・運動性に優れた関節
肩甲骨を中心とする肩関節は可動性・安定性(支持性)・運動性に優れ、上半身の動きの能力を向上させる上で重要な部位となります。

そして、特にランニング動作における肩関節の動きは、脚の運びをスムーズにする上でも非常に重要になるのです。

例えば、胸の前や背中で腕や手を組むなど肩甲骨を固定した状態で走ってみて下さい。

ストライドが伸びず走りづらいことに気付いて頂けるのではないでしょうか!?

このことからも分かるように、肩甲帯の可動性の低下はストライドにも影響を及ぼし、ランニング効率を低下させる原因にもなるのです。

そして、肩関節に関連する胸部筋群の可動性の低下は胸郭の可動性の低下をも引き起こし、呼吸筋にも影響を及ぼすため、さらにランニング効率が悪化する可能性が高くなります。

これらのことからも、肩関節の可動性、すなわち動的柔軟性を高めることはランニングパフォーマンスを向上させる上で重要な要素となることがお分かり頂けるかと。

■肩関節の動的柔軟性を高めるために
肩関節の動的柔軟性を高める上で、理解しておきたいポイントは、肩甲骨の動きです。

肩甲骨の動きは、基本的に「挙上・下制」「外転・内転」「上方回旋・下方回旋」の6ターンとなり、肩甲骨を中心とする肩関節の動的柔軟性を高めるためには、これら基本6パターンの可動性を高める必要性があるといえます。


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