人気サンデー漫画家「美少女を描けない作家はマンガで食っていけなくなる」
2009年11月05日17時41分 / 提供:ガジェット通信
週刊少年サンデーで人気漫画作品『聖結晶アルバトロス』や『神のみぞ知るセカイ』を連載し、人気を博している若木民喜(わかき たみき)先生。キュートで萌え萌えなキャラクターが魅力的な若木先生の画風は、多くのファンから根強い人気を得ている。そんな若木先生が、公式ブログで漫画界の先行きが不安であることを書いており、そのなかで、「特にエロパロ美少年美少女を描けないタイプの作家がマンガで食っていくことができなくなる(今でも食っていけないけど)」と発言していることがわかった。
<若木先生の業界に対する不安と提案>
「マンガ雑誌が面白くない → 新人がやってこない → レベルが低い競争になる → 無理矢理新人を連載させてみるが長続きしない → 仕方ないので、他で実績の既にある作家を呼んでくる → 単行本は売れるが雑誌の色が希薄になる → 新人がさらにやってこなくなる → さらにレベルの低い競争になる」
「昔は新人は掃いて捨てるほどいたかも知れないけど、今は探して探して、逃がさないように大事に育てないといけないと思う。少子化だし、マンガ連載のきつさも誰もが知るところ。マンガを描こうという新人はどんどん減っていく。今取り合いになっている100万部出る人気作家もその固定ファンも、いずれ年老いていく」
「特にエロパロ美少年美少女を描けないタイプの作家がマンガで食っていくことができなくなる(今でも食っていけないけど)。今でも、マンガは自律的アートの世界になってきてる。アートになると文化としては一段落ちてしまう」
「お金を使わなくても変えられることも、沢山ある。これは編集部や出版社だけじゃなくって、描いている作家も一緒に考えていかないといけないと思う。作家も影ではグチばっかり垂れているけど、だからと言って面と向かっては言えず、ユニオンも作る元気もない。そんなダメ人間であっても、何とかプロでやっていけたのも雑誌のシステムがあったから。そして、日本マンガの本質は、マンガだけしか描けない、社会的ダメ人間だから描ける部分にあるんだ。雑誌がなくなったら、ダメ人間のままではプロになれない」
「あらゆるマンガ雑誌ががんじがらめのなか、サンデーがもし、その本質を見極めてくれれば、今の不況を乗り越えた後、ジャンプを抜くことだって可能だとボクは信じておるのだ。そういう状態になると、ボクは多分淘汰されているだろうけど、漫画界全体がレベルアップしていれば、セカンドレベルでも食っていける。それなら淘汰されても安心だ」
(上記、ブログより引用して要約)
若木先生の考えは非常に深い。「今、衰退しつつある漫画業界をどうするか?」だけでなく、十数年後の漫画界に関して警鐘を鳴らす内容となっているのがわかる。若木先生が言うことが本当ならば、漫画業界はどんどん衰退を続け、軟弱で深みのない作品ばかりになってしまう。漫画家自身も考え方を変えていかなくてはならないのかもしれない。今回の若木先生の発言について、現役の連載漫画家に意見を聞いてみた。
某先生が言うには、「確かにカワイイ女の子描けないとキツイだろうね。でも、飢え死にしたっていう漫画家がいないのも事実。女の子描けなくてもサブカル雑誌やディープな漫画誌では仕事もらえるし、プロのアシスタントという道もある。オンラインアシスタントなんかも重宝されているようだよ」とのこと(オンラインアシスタントとは、インターネット経由で漫画原稿を送ってもらい、パソコン上でスクリーントーンを貼ったり背景を描いたりして、また先生に返信して戻すという手法の漫画アシスタントのこと)。漫画業界、まだまだ一般人の私たちが知らないことだらけのようだ。
イラスト: 中邑みつのり 先生
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