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ケータイよりはセイホのほうがガラパゴスみたいだ

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生命保険のカラクリ (文春新書)生命保険のカラクリ (文春新書)
著者:岩瀬 大輔
販売元:文藝春秋
発売日:2009-10-17
おすすめ度:5.0
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「生命保険のカラクリ」を献本いただいていたのですが、タイミングを失して、ちょっと書評を書きそびれていました。

著者の岩瀬さんは、あのライフネット生命保険の副社長でいらっしゃいます。ライフネット生命保険は日本の生命保険の歴史で言えば、独立系としては74年ぶりに誕生した会社ですが、順調に業績が伸び、最近では社長の出口さんがまじめに説明しておられるテレビコマーシャルまで流れています。

生命保険は少子高齢化にむかう日本では、縮小していくしかないと思われるのですが、日本の生保の海外進出というのは、チャレンジ目標として掲げてはいるもののあまり聞きません。海外の保険会社の株を買ったという程度でしょうか。逆に日本の生命保険に参入があいついだことに違和感を覚えていたのですが、この本を読んで、その理由がよくわかりました。

日本の生保は、海外と比べると非常に美味しいビジネスができる特殊な国だということです。9割の人がなんらかの生命保険に入っていて、さらに海外と比べると突出して高い保証保険額の商品に加入している。さらに保険料が高く、商品によっては海外の二〜三倍もの保険料が支払われているそうで、そんなマーケットを海外企業が放っておくわけがありません。

なんと日本の国民は、日本の税収とほぼ同程度の年間40兆円もの生命保険を支払っているというのだから驚きます。そんな国はないそうです。日本は生命保険に関しては特殊な島、ガラパゴスだということです。

そういった日本の特殊でビジネスとして美味しい保険は、海外企業にとっては同じ土俵で利益を享受することも、価格破壊を起こすことも選択が自由なわけですが、日本の生保はそうはいきません。

日本では、保険セールスの人たちが、職場、地域のすみずみにまで入りこんで、それで加入率が9割ということが実現できているわけです。そんな外交の人たちの人件費がばかにならない、非常に高くつくことはいうまでもありません。生命保険で販売成績のよい主婦の人では、大企業の管理職も真っ青な給与をもらっていたりするのですが、その費用はどこからでるのかです。当然保険料に織り込まれています。

生保の収益源は、シサ、リサ、ヒサの3つだそうです。シサとは保険料に織り込まれている死亡や入院確率と実際に支払う確率の差の死差益であり、それがもっとも大きな収益源だそうで、少々運用で逆ざやがでて損失があっても十分に吸収できるというのですから驚きます。なんとこの市差益が保険会社のもっとも大きな収益源で、生保8社の合計で、2兆1000億円もあるそうです。

またリサとは運用利回りでの稼ぎですが、日本はリスクの高い株などへの投資が海外の保険会社よりも多いのは、先ほどのシサで儲かるからかもしれません。さらに手数料として、事業運営コストが乗っているということです。

保険商品が分かりづらいこともそういったビジネスのあり方を可能にしているのでしょうが、そんな生保も、共済保険が伸び、さらに店頭販売、ネット販売など流通の変化がでてくると、かならず市場での価格調整が起こってくるのは当然の成り行きであり、ライフネット生命もそれで伸びてきているのでしょう。

生保というと、義理、人情、プレゼントというGNPで交わされてしまいがちですが、高級外車を買うぐらい高額な買い物だということを考えると、もっと慎重に比較して選んでもいいと思いますね。
この本の最後に、保険にかしこく入るための7カ条がまとめられています。かしこく選びためには、しくみを理解しておくのが早道ですが、ご参考までにご紹介しておきます。

●死亡、医療、貯金の三つにわけて考える
●加入は必要最低限に
●死亡保障は安い定期保険で確保する
●医療保障はコスト・リターンを冷静に把握して
●低金利のときは、生保で長期の資金を塩漬けしない
●解約したら損、とは限らない
●かららず複数の商品を比較して選ぼう


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大西 宏のマーケティング・エッセンス

大西宏

コア・コンセプト研究所代表取締役、ビジネスラボ代表取締役。

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