BEAUTY
カネボウ化粧品、化粧をすることで脳活動(自分への意識)も変化することを確認
2009年11月04日16時16分 / 提供:マイライフ手帳@ニュース
カネボウ化粧品・価値創成研究所、およびメイクアップ研究所は、化粧前後における女性の脳活動の変化を比較し、化粧前に「他人の顔」のように認識していた「自分の化粧顔」が、化粧後には「自分の顔」、すなわち“自分そのもの”であると認識を変えていることを見出した。化粧後の女性にとっての「自分の化粧顔」は、「自分の顔」であり「他人と向き合うための社会的な存在」であることを示唆している。
同研究は、2007年7月から脳科学者・茂木 健一郎氏と共同で推進している「『化粧・美×脳科学』プロジェクト」で得られた成果の第2弾となる。同プロジェクトは、「美の本質」や「化粧の本質」などについての多角的な研究の一環としてスタート。第1弾となる研究成果を、2008年11月に、脳・認知科学における世界最大の国際学会 Society for Neuroscience(北米神経科学会)が開催した「Neuroscience 2008」で発表し、高い評価を得たという。今後も、脳科学からのアプローチによって「美の本質」「化粧の本質」をさらに解明することで、化粧品の価値や効用を見出し、女性の潜在的な美しさと個性を引き出す支援をしていきたい考え。
カネボウ化粧品では、化粧品を「単に美しさを表現するためだけのもの」ではなく、「女性本来の個性と美の可能性を引き出すもの」であると捉えており、心豊かで幸せな人生の実現に向け、化粧品を通じて多様な価値を提供し続けることを使命としているという。そこで、化粧品の持つ本質的な価値をより多角的に研究するために、従来から取り組んでいる人間の意識的な部分へのアプローチに加え、無意識な部分にアプローチできる「脳科学」に着目。脳科学者・茂木 健一郎氏と共同で「『化粧・美×脳科学』プロジェクト」を立ち上げ、新たな領域で「美の本質」「化粧の本質」について研究をスタートさせたとのこと。
研究の第1弾では、女性が素顔の状態で「自分の素顔」と「自分の化粧顔」を見た時の脳活動の変化を測定したという。その結果、「自分の素顔」を見た時に脳の報酬系である尾状核(びじょうかく)(何かの行為によって得られる報酬を期待して働くとされる脳の部位。報酬系の活発な活動は、本能的な喜びを感じたときに脳内に放出される神経伝達物質・ドーパミンの活発化を示唆している)が活発化したことで、化粧後の自分の顔への期待感が高まっていることが示唆されました。一方、「自分の化粧顔」を見た時には「他人の顔」を見た時と同じ部位が活動したことから、「自分の化粧顔」をより社会に近い存在として位置付け、他人とコミュニケーションをとる際の橋渡し的な役割を持たせているということが考えられる。そこで今回は、実際に化粧をした後の、「自分の素顔」と「自分の化粧顔」に関する認識の変化を解明するため、研究を進めた。
実験は、実際に化粧をした状態で、前回と同様、fMRI(機能的磁気共鳴映像法:functional Magnetic Resonance Image)で測定した。fMRIは強い磁気を発生するため、本来は磁気を帯びやすい金属を含む化粧品をつけた状態では使用することができない。そのため、fMRI内で使用できる化粧品原料を選定し、それらの原料を含んだ化粧品を選別するところから研究をスタートさせた。被験者にはこの化粧品を使ってもらい、化粧をした状態での「自分の素顔」「自分の化粧顔」「他人の素顔」「他人の化粧顔」を見た時のそれぞれの脳活動を測定した。
前回、素顔の状態での測定では、「自分の素顔」は「自分の顔」を見た時と同じ脳の部位が活動するものの、「自分の化粧顔」については「他人の顔」を見た時に活動する部位と同じ部位が活動したという。一方で、化粧をした状態で測定した今回は、「自分の素顔」「自分の化粧顔」共に、「自分の顔」を見た時と同じ活動を示すことがわかったという。
前回と今回の研究成果の意味するところを考え合わせると、次のような推察ができるという。女性が毎朝、化粧をする前に素顔で鏡の前にいる時、自分の素顔を眺めながらこれから施す化粧によって変わる自分に期待するとのこと(報酬系が活性化)。この時点では、「自分の素顔」=「自分の顔」、「自分の化粧顔」=「他人の顔」として、化粧をした「自分の顔」は、他人に近い存在であると認識しているという。
ところが実際に化粧をし、社会に出て他人とコミュニケーションをとっている状態では、化粧をすることで自分に対する認識が変化し、「自分の素顔」「自分の化粧顔」=「自分の顔」として、素顔のときには自分とは違う(他人に近い)存在として認識していた「自分の化粧顔」も、自分自身として認識し直したという。
これらのことから、化粧前(素顔の時)の化粧顔への期待感は、「化粧をすることで自分に自信を持ち、自分と他人との人間関係を積極的につくり上げる」ということに対しての期待感であり、また、化粧後の脳活動の変化は、「素顔の時には他人のように認識していた『自分の化粧顔』を、化粧後には“自分そのもの”と認識することで、顔だけでなく無意識のうちに脳にも“化粧”を施し、他人と向き合う体制を整えている」ということを意味しているといえそうだ。
カネボウ化粧品では、今後も共同研究の深耕を図り、美や化粧の本質的価値をさらに解明し、女性にとっての美の価値、化粧の価値をより深く理解していきたいとのこと。
なお、同研究成果を含む詳細は、昨年に引き続き、Society for Neuroscience(北米神経科学会)が 10月16日から21日に米国・シカゴで開催した「Neuroscience 2009」で発表したという。さらに、日本顔学会が10月31日から11月1日に鹿児島で開催する「フォーラム顔学2009」でも発表する予定とのこと。
カネボウ化粧品=http://www.kanebo-cosmetics.co.jp/
■関連リンク
・生活習慣データを記録、グラフで管理できる健康生活支援サイト「マイライフ手帳」









