歌あり、寸劇あり!コールドストーンのおもしろ採用試験

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エンターテインメントアイスクリームショップ「コールド・ストーン・クリーマリー」といえば、おそらく“店員が笑顔で歌を歌いながらアイスクリームを作ってくれる明るい雰囲気の店”というイメージなのでは? あの明るいメンバーがそろう理由が、採用試験にあった。アルバイトも社員も「オーディション」という名の試験を通らなければならず、その内容がスゴイのだ。

ダンスを披露!?

「オーディション」では、参加者はみなネームタグをつけるのだが、まずそこから面白い。例えば「いっちゃん」「やまちゃん」などとニックネームを書き、その名で呼び合うのだ。しかも人事担当者もニックネームを首からぶら下げているのだとか。これは決してふざけているわけではなく、「参加者同士が仲良くならないと難しいオーディションなので、その雰囲気作りのために行っています」と、人事担当の大井さん。人事担当者ものっけからハイテンションで参加者に接するそう。同社広報を担当する阪口さんは「新卒時に約10社の採用試験を受けましたが、(そのハイテンションに)こんなタイプの試験、ほかにない!と、最初はビックリしました」と、当時を振り返る。

前置きが長くなったが、その試験の内容を紹介しよう。まずは1分間ずつ自己紹介をし、「あなたがハッピーになった話」をスピーチ。その後、10人前後のグループに分かれて「ハッピーなアイスクリーム」のレシピを考案して紙に書き起こす。ここまではまだ一般的な域だが、次が難関! なんと、「寸劇」をやるというのだ。これを聞いたら、記者なら逃げ出したくなるかも…。

「私が受けた時は“ハッピークリスマス”というお題で、8人ほどのメンバーでストーリーや配役を考えました。私は演出とトナカイ役を担当したんです。そのころにはもう雰囲気に巻き込まれて、恥ずかしさもなくなっていました」と前出の阪口さん。阪口さんのグループが考えたストーリーは、“世界中にプレゼントを配り終えた夜、サンタがトナカイと打ち上げをしようと思っていたが、ビジネスライクなトナカイたちは帰宅。サンタが独り寂しくテレビを見ていると、トナカイたちがサプライズでプレゼントを届けてくれ、しかもそのプレゼントとは初恋の相手、トナカイの女の子!”というもの。

正直、クスッと笑ってしまうかわいらしいストーリー。でもこれを20分で構成してみんなの前で発表。しかもその中に、同社のトレードマークとも言える“歌”も盛り込まなければならないのだ。ちなみに今年5月に「ソクラテスの人事」(NHK)で、この寸劇が紹介され、芸能人たちがこれにチャレンジ。見事合格したのはルー大柴さんだったと聞き、なぜだか納得(?)。

では、この芸能プロダクション顔負けのオーディションでの採用ポイントは? 大井さんによると「リーダーシップがあるか」「積極的に参加し、仲間のいいところを引き出しているか」「チームプレーができるか」という3点だそう。そうして選抜されたメンバーたちがあの明るい店を作り出しているのだ。しかも離職率が低いのも特徴。チームワークを大切にした店作りで皆が楽しく働いている証拠だ。

同社では毎年、全国の各店舗が参加し「オールジャパン クリーマリーカップ」を開催。ここでも寸劇やクイズ、接客などを競い、涙あり、笑いありの決戦を繰り広げ、日本一の店舗を決定する。今年は三重県にあるジャズドリーム長島店が1位に輝いた。しかも同店は世界で約1500店舗あるコールドストーンの中で昨年度の売り上げも第1位で、名実共にコールドストーンのトップの店舗だ。

こんな面白おかしくも厳しい試験を勝ち抜いたクルーが働くコールドストーン。店舗で歌われる替え歌もクルーたちが仕事の合間に考え出し、今や100曲以上もあるとか。この採用試験、受けてみる度胸はある!?【東京ウォーカー】

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