日本の空港は“無茶・無駄・無策” お粗末航空政策のナゼ
2009年11月02日17時00分 / 提供:ZAKZAK(夕刊フジ)
政府は先月末、経営再建中の日本航空を支援する「日本航空再建対策本部」(本部長・前原誠司国土交通相)を設置した。前原国交相といえば「羽田ハブ空港化」発言が話題を呼んだが、日航の経営を圧迫した地方不採算路線の整理は羽田ハブ化のためにも不可欠。そもそもなぜ、狭い国土に100近い空港が造られているのか。『血税空港』(幻冬舎新書)の著者でノンフィクションライターの森功氏(48)は「日本の航空政策が無茶・無駄・無策の“3無”だからです」という。
問題の根本は1980年代後半のバブル期に行われた「日米構造協議」にあるという。米国側が迫った「流通」項目の中には、(1)地方空港を含む既存の空港を国際便に開放(2)関西新空港の予算増額(3)中部新空港の建設承認(4)広島、北九州空港の建設スケジュールを早める−と、「後に日本の空港が歩んできた政策そのもの」(森氏)が示されていた。
空港増や増便はボーイングを筆頭にする米国の航空産業を潤わせるわけで、「日本の航空政策は米国に言われるがままに行われてきた。独自の国家戦略がなく、だから行き当たりばったりの空港が次々と生まれた」と森氏は指摘。さらに「アメリカが空港整備を迫ったのは日本の運輸族、自治体、ゼネコンにとっても好都合だった」という。
現在、日本国内には100近い空港がある。数は世界でもトップクラスで、1万平方キロメートルあたりの空港が2.6は英、独に次いで世界3位。2.0の米、0.2の中国をはるかに上回る。道路特別会計と同じような「空港整備特別勘定」という特別会計によって「わが県、おらが村」に赤字空港がむやみに造り続けられた結果だ。
そうして全国に散らばる赤字空港は、羽田の国際化も大きく阻害している。
「地方空港は、唯一のドル箱といえる羽田線をこぞって飛ばすため、羽田の発着枠に余裕がなくなった。そのため、国際戦略を打ち出せないのが現状なのです。羽田の国際競争力をアップするためにも、廃港を含めた地方空港の整理が必要です」
そのうえで森氏はずばり、「廃港の候補は20カ所ぐらいある」と語る。
具体的には、できたばかりの静岡や来春開港予定の茨城のほか、福島、鳥取と出雲のいずれか、関西3空港のうち1つ、福岡、佐賀、北九州の3空港のいずれかが「いらない空港」に含まれるという。
「いずれにしても、各空港の経営状態、需要予測を見極めたうえで大きな戦略を立て、地道に問題をクリアしていくしかない。航空戦略の中心は羽田と、羽田を補完する成田ということになるだろう」と森氏は話している。
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