【週末美術館】終わる夏に一筋の陽光
2009年11月01日14時47分 / 提供:Record China
CGを駆使しつつ油彩画的なアナログ感漂う写真作品を発表している李鴻飛は、主に花をモチーフとした創作を続けている。昨年の震災で犠牲となった子供らに捧げた「終わる夏に一筋の陽光」は、絶望の底に沈みながらもかすかな命の息吹を感じさせる温かみある作品群だ。
「夏日最後一縷陽光(終わる夏に一筋の陽光)」と題した連作では、蓮を主題に取り上げた。これは08年春に発生した四川大地震によって、幼くして命を奪われた子供たちに捧げた挽歌という位置づけで、世の無常や生命のはかなさを表現したものである。被写体となっている蓮の花や葉、実はいずれも茎が折れ曲がり、無残にもしおれて下を向いている。夢を奪われ、命を絶たれた無念さが漂うが、果てた命の傍らに、あらたな生命の息吹を感じさせるトンボやカワセミの姿が、それこそ一条の希望の光となって現われている。絶望の底にあっても決して挫けず、未来を信じる心を捨ててはいけない…そんな作者のメッセージが伝わってくるようだ。(文/山上仁奈)
【その他の写真】
●李鴻飛(リー・ホンフェイ)
1965年生まれ、湖北省出身。1989年に湖北美術学院で油彩画を専攻。1993年より同省応城市内の企業でカメラマンやグラフィックデザイナーとして働く傍ら、「閑雲遠鶴」の名で創作活動を展開している。代表作に「終わる夏に一筋の陽光」「失われた風景」「月光曲」など。
※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。
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