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不況にめげない職人魂 EV自作に成功

2009年10月28日15時33分 / 提供:産経新聞

産経新聞
不況にめげない職人魂 EV自作に成功
自作EVのボンネットを開け、モーター、バッテリーを見せる阿部宏平さん=新潟県燕市朝日町

 走行時に二酸化炭素(CO2)を排出せず、地球環境にやさしい乗り物として注目される電気自動車(EV)を、金属加工で知られる新潟県燕市の職人が自作、普通自動車と同じ扱いの車検登録に成功した。新潟県内で乗用車として登録されたEVはこれが初めて。その陰には、不況に負けない“職人魂”があった。

 EVを自作したのは、腕時計の裏板や自動車部品などの金属加工業を営む阿部宏平さん(72)。

 昨年秋のリーマン・ショック後の不況で県内製造業は大ダメージを受け、阿部さんの工場も受注が激減した。しかたなく金曜日も休んで週休3日としたことで、「この苦境を逆手にとって何かできないか…」といった「ものづくり」への欲望が沸いてきたという。

 思い出したのは、今年2月、東京で目にしたEV試乗イベント。「人が作るものなら自分にだってできる」と自作を決意した。

 金属加工の熟練職人でも車作りは未経験。しかも図面さえない。そこで、阿部さんはインターネットでEV愛好家らからアドバイスを受けて5月に着手。自作ベース(台車)に選んだ日産マーチのボンネットを開けたときは「(エンジンなどの)中身を全部外すのか…」と一瞬躊躇したとか。

 4カ月の試行錯誤の末、9月25日に新潟運輸支局の車検を通過したEVは製作費約100万円。エンジン代わりのモーターと9台の鉛バッテリーを積み込み、平均時速は40〜50キロ、1回の充電で約20キロ走行できる。スーパーの駐車場に止めていると、買い物客から「どれくらいの距離走るの」「スピードは」と質問攻めにあうそうだ。

 車体には「EVjiji」のステッカーが光る。「『ジジが作ったんだぞ』と孫に自慢したい」。阿部さんの顔がほころんだ。

関連ワード:
新潟県  ジン  自動車  二酸化炭素  電気自動車  
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