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なぜ総合週刊誌は凋落したのか? 出版社を取り巻く3つの課題

2009年10月28日12時01分 / 提供:Business Media 誠

Business Media 誠
なぜ総合週刊誌は凋落したのか? 出版社を取り巻く3つの課題
"『週刊文春』(10月29日号)"
 『月刊現代』『論座』『諸君』など、雑誌の休刊が相次いでいる。このほかグラビア誌『sabra』や学習雑誌『小学五年生』『小学六年生』も休刊を明らかにするなど、ジャンルを問わず、雑誌が苦しい立場に置かれている。

 また総合週刊誌と呼ばれる『週刊現代』『週刊ポスト』『週刊文春』『週刊新潮』などは、どのような状況に置かれているのだろうか。昔は電車の中でサラリーマンが読んでいた……といったイメージがあるが、最近では「見かけることが少なくなった」と感じている人も多いのでは。

 総合週刊誌といえば政治家や芸能人のスキャンダル記事を扱うことが多いが、読者はこうした記事に興味を失ったのだろうか。『週刊現代』や『FRIDAY』の編集長を務めた元木昌彦氏が、総合週刊誌を取り巻くの課題について語った。

※本記事は日本ジャーナリスト会議主催の集会(10月16日)にて、元木氏が語ったことをまとめたものです。

●漫画がダメになれば、大手出版社は厳しい

 私が携わってきた男性向けの総合週刊誌は、いま大変な時期を迎えている。総合週刊誌といえば『週刊現代』『週刊ポスト』『週刊新潮』『週刊文春』などがあるが、いまや完全にシルバー雑誌化している。私が『週刊現代』の編集長をしていたのは1992年から1997年まで。いまから10年以上前だが、このときの読者の平均年齢は30代の後半だった。最近の『週刊現代』の読者(平均年齢)は40代後半だという。私が現場を離れてから、読者の平均年齢が上がっているようだ。

 私が現場にいるころは「40歳を過ぎたら『週刊新潮』」といったキャッチフレーズがあった。しかしいまの『週刊新潮』の読者の平均年齢は50歳を超えているのではないだろうか。ひょっとしたら50代半ばかもしれない。また『週刊文春』の平均読者は『週刊新潮』よりも少し若いかもしれないが、それでも50歳前後だろう。

 シルバー雑誌といえば『サライ』などがあるが、いまは総合週刊誌もシルバー雑誌になったと思う。そのため、部数も落ち込んでいるのではないだろうか。各雑誌は読者の若返りを図っているが、なかなか難しいようだ。残念ながら、総合週刊誌に若い読者は入ってこず、その一方でシルバー世代の読者も離してしまった。

 私が『週刊現代』の編集長をしていたころの部数は80万部ほど。また合併号で、一番多いときは150万部あった。いまの『週刊現代』は20万部ちょっと。私が担当していたころと比べ、3分の1以下に減少してしまった。

 かつて大手出版社といえば出版(書籍)が中心の会社だった。しかし20年ほど前から雑誌の売り上げが大きくなり、雑誌が書籍を凌駕(りょうが)してしまった。講談社も「総合出版社」とうたっているが、実態は「雑誌を中心とした出版社」だ。講談社、小学館、集英社は漫画の雑誌や単行本の売り上げが、大きなウエートを占めている。例えば講談社の総売上に対し、漫画の売り上げは3分2近くを占めている。もし『週刊現代』や『FRIDAY』が休刊になっても、講談社は営業を続けていくことができるが、漫画がダメになれば講談社だけに限らず、小学館や集英社も潰れてしまうかもしれない。

 私も企業年金を講談社からもらっているので、なんとかあと10年くらいは存続してもらわないと……(笑)。講談社の悪口は相当言っているが、悪口を言うということは「会社が存続してほしい」という“愛のムチ”だと考えている。しかし、なかなかそうは受け止めてもらえていないようだ。

●裁判所から“恫喝”された出版社

 今年に入ってから、週刊誌にとって大きな出来事があった。いまから3代前の『週刊現代』の編集長は、朝青龍の八百長問題を取り上げた。そして「朝青龍が八百長をし、カネが動いた」※という記事を書いたことで、朝青龍側から訴えられたのだ。一審の判決が2009年1月にあり、「総額4290万円払え」という判決が出た。もちろん高額の賠償金額にも驚いたのだが、判決に「取り消し広告を出せ」と書いてあったことにも驚いた。つまり「この記事はウソでした。間違っていました」という記事広告を出すことだが、これは前代未聞ではないだろうか。
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