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【特集・改革の手を止めるな】信藤健仁チームダイレクター独占ロングインタビュー

【特集・改革の手を止めるな】信藤健仁チームダイレクター独占ロングインタビュー

インタビュー・文●島崎英純
写真●兼子愼一郎

現在、浦和レッズの中で左サイドバックのポジションが手薄とされている。にもかかわらず、そのポジションを本職とする三都主と野田が放出された。また、リーグトップの観客動員を誇りながら、クラブは財政難を叫んでいる。その影響からか、今季途中に獲得したのはファイサルと宇賀神という経験の浅い2選手のみ。これらのチームマネジメントについて、疑問を持たれた方も少なくないだろう。トップチームの統括責任者である信藤TDにこれらの疑問をぶつけた。

─現在、浦和レッズは連敗が続いています。信藤TD(チームダイレクター)はこの状況をどうお考えでしょうか。

「フィンケ監督の、緻ち み密つ で先を見つめたスタイルの下、ベースを確立させていく途中で、開幕から夏場までしっかりとスタイルを貫いて、チームは成長をしてきました。しかし夏場を迎えて、選手たちが同じ運動量で、タイミングで、スピードでプレーを行えずに、少しばらつきが出てきた。そこですきを突かれて思わぬ流れの悪さに直面しています。選手たちはもちろん一
生懸命プレーしているのですが、現状では結果を得られていません」

─現在のチームはボールポゼッションを重視することでリアクションからアクションサッカーへの転換を図っている意図が見えます。ボールが保持できれば自らが主体的にゲームを進めることができるわけですから。ただ、それに対して相手もレッズの戦術を研究するわけですが、今度はレッズが、その対抗策を見いだせていないように感じます。

「チームが成熟すれば大きな花が開くと思っているのですが、アクションサッカーを確立させるための一歩を踏み出すのが難しいのです。魅力的なサッカーを実践するためにチーム全体をコ
ンパクトにして、激しくプレスをかけて相手を追い込む要素がありますが、それには運動量が求められます。一方で日本の夏場は厳しいですから、その気候面によって壁に直面することがあます。日本のサッカー界に長年リアクションサッカーが横行してきたのには、そのような理由もあるかと思います。ただ、ここでレッズの目指すものがブレてしまうと、せっかくフィンケ監督を招しようへい聘してスタイルを変革させようとしていることの意味がなくなってしまうのです。勝敗はもちろん大事で、こだわらなくてはなりません。ただ、それでも続けなくてはいけない事
項がある。今はそう思っています」
─チームが目指す指針については理解できます。ただ、現状を改善するために、現場、そしてクラブが成すべきこともあるかと思います。例えば信藤TDを中心としたフロント陣には選手補強によってチーム力を高めてチーム内を活性化させる役割と責任があるかと思いますが、結局今夏の移籍マーケットでは選手補強が行われませんでした。これについてはどうお考えなのでしょうか。

「シーズンイン当初の考えとしては現有戦力の見極めと若手選手の活躍機会を増やしたいという意図があり、即戦力の補強をしませんでした。それはフィンケ監督の考えとも一致するものでした。しかし実は、当時は選手のリストアップをいくつかして、監督と打ち合わせたりもしたのです。しかし、このクラブはこれまで人材(選手)を非常に重要視していた反面、チームをどうつくり上げるのかというビジョンに欠けていました。それを踏まえた上でクラブもフィンケ監督も、今はチームのベースをしっかりと築き上げなければいけないと判断し、早急な補強はしないと決断したのです。そしてもう一つ。実は、現在の浦和が積極的な補強を行わない理由にはここ数年間の強化資金の使い方に問題があったということも挙げられます。これまで選手獲得に費やしてきた金額、そして現有戦力を保有する資金、そして監督を解任したことによる違約金など、今の時点で支出しなければならない金額が数多くあり、現状ではそれ以上に思い切った資金捻出ができないのです」

─現有戦力を保有するだけで、すでにチームの強化資金がギリギリの状態になっているということですか?

「そうです。フィンケ監督が求めている選手の中で、若手選手については理想的に台頭している面があります。山田直輝などはその代表的な存在ですね。ところが23歳から26歳くらいの中堅と呼ばれる選手の人材が、今のチームには極端に欠けている。もし、その年代の選手を他のクラブから獲得しようとすると多大な資金が必要になります。今回、夏の移籍マーケット期間中にも何件か補強案を模索しました。しかし監督と詳細にディスカッションした上で、獲得には至りませんでした。それは選手の能力、評価に対して金銭的な負担がアンバランスだったからです。今後は適正で、長期的な視野に立った選手獲得をしなければなりません。そうしなければスムーズかつ理想的な補強方針を永続的に練ることができないのです。フィンケ監督は現状のチームについてもよく熟考していますが、それと同時にクラブの将来についても考えてくれています。それを踏まえて、クラブとして今季はこのままの戦力で戦おうという結論を下したのです」
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【特集・改革の手を止めるな】信藤健仁チームダイレクター独占ロングインタビュー
インタビュー・文●島崎英純写真●兼子愼一郎
   

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