新型インフルエンザによるパンデミック時の事業継続や労務管理について企業ごとの早急な対応が迫られている中、本紙主催の「新型インフルエンザ・パンデミック対策『トラブル予防の労務管理』短時間集中講座」が、10月6日、品川インターシティ・多摩大学ルネッサンスセンターで開催された。


 当日はあいにくの雨にもかかわらず、企業の人事・総務部門の責任者、派遣先企業・派遣スタッフへの対応が急務となっている人材派遣会社の責任者が参加した。

 講座では、本紙で「トラブル予防の労務管理」を連載中の東京都社会保険労務士会副会長の久禮和彦氏が、現在多数寄せられている具体的な相談事例を基に、実際に新型インフルエンザの発症者が出た際、業務への影響を最小限に抑え労務関係のトラブルを回避するために取るべき対応や、そのために事前に収集しておくべき情報・周知を徹底すべき事項、労災適用の可否などの実践的な内容について解説した。

 久禮氏は、「新型インフルエンザについては、事業継続計画(BCP)の必要性が声高に叫ばれており、その策定自体は急速に広まっているものの、社員や取引先への周知や事前のシミュレーションが十分でなく、まだまだ『絵に描いたモチ』になっているケースが少なくない」と指摘。

 「やるべきことは多いが、近年は企業の安全配慮義務が強く問われる機会が増えている。今回の対策を機会に就業規則を見直したり、危機発生時に対応できる柔軟性のある社員の働き方や組織運営、教育訓練も合せて考えることが必要ではないか」と話した。

 参加者からは、法整備が後手後手になっており、その適用に限界が出ている感染症予防法や労働安全衛生法と社内規定との整合性や、実際に社員に出勤停止を指示する際の注意点など、講座終了後も講師である久禮氏への熱心な質問が相次いだ。

 「安全配慮義務の強化に早速取り組むことができる。会社としての責任範囲が明確になった」「具体的な対策が示されたので参考にする」といった感想や、人材派遣会社からは「人材派遣部門における対応に特化した話も聞きたい」といった意見などが寄せられ、好評のうちに終了した。

 今回参加者から寄せられた意見も参考に、今後も弊紙では引き続き、人事労務の課題にフォーカスした講座を展開していく予定。

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