8日、ユヴェントスに所属するイタリア代表のキャプテン、DFファビオ・カンナヴァーロが、8月29日に行われたドーピング検査で陽性反応だったことが明らかになった。

同選手はハチに刺されたことから、「緊急事態」の状態にあるとして、薬物(コーチゾンを含む抗アレルギー剤と見られる)を使用。その後、特別な状況として、ドーピング検査の免除を申請していた。しかし、申請に必要な書類が欠けており、その結果としてカンナヴァーロはドーピング検査を受け、陽性反応が発見された。

CONI(イタリア五輪委員会)は次のように発表している。

「FIGC(イタリアサッカー連盟)の会員から、緊急事態における薬物投与に関し、アンチドーピングのルールに則って、治療を目的とした特別免除の要請が送られたことについて、治療目的の特別免除委員会は、治療を行なった医師の診断書を送付するように要求した。その間に選手はドーピング検査を受け、不都合な結果が出ている。そのため、現行のドーピングルールに基づいて、ドーピング検察長のエットーレ・トッリが、できるだけ早く選手と医師に事情聴取を行なう。その結果、本件に対する措置を取ることとなる」

一方、ユヴェントスは選手の立場が近いうちに明確にされると確信しており、心配はしていない。8日夜、カンナヴァーロは21時前にクラブオフィスへ到着。その直後、トッリ氏から事情聴取を受けた。21時50分にカンナヴァーロは笑顔を浮かべてオフィスを後にしている。トッリ氏もユーヴェの弁護士同席のもと、メディカル・スタッフに事情聴取をした後で、22時30分にオフィスを後にした。トッリ氏がどういった決定を下すかは、9日が待たれるところだ。現時点で最も可能性が高いのは、選手には責任がなかったとして出場停止処分が科されず、ユヴェントスには罰金処分が下されると見られている。

ユヴェントスは今回の件について、次のように発表している。

「ファビオ・カンナヴァーロに対するアンチドーピング検察の調査開始について、ユヴェントスのメディカル部門は、昆虫に刺された結果として事態が悪化していたことにより、健康上の指示と義務に従って行動したことを明確にしておく。その際、事態のさらなる悪化、および致命的になることを防ぐために、必要不可欠な薬物治療が行なわれた。選手とユヴェントスのメディカル・スタッフは、書類上の手違いも含めて、この件ができるだけ早く明確になるように検察側に従う」

どうやら、委員会側が要求した検査の特別免除に関する書類の書留郵便が、ユヴェントスのオフィスに届いたにもかかわらず、クラブ側がそれを見ていなかったようだ。

一方、ユヴェントスがCONIに送付した申請書類のコピーは、9月5日と9日に行われたワールドカップ予選に向けてカンナヴァーロがイタリア代表に合流する直前に、イタリア代表のエンリコ・カステッラッチ医師の下へ送られているとのことだ。