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JALは本当に必要か - 池田信夫

JAL(日本航空)の再建問題をめぐって、海外の航空会社との提携の話が棚上げになり、経営危機説が再燃している。前原国土交通相は「政府が支援する」と明言したが、JALは資金繰りが行き詰まっており、法的整理をしないと再建は困難だという意見も多い。

JALの経営不安は、今に始まったことではない。派閥抗争が続いて「お家騒動」が繰り返され、政府もJALを地方空港に無理やり就航させてきたので、国内路線の9割は赤字だという。世界の航空会社のベスト10ランキングを見ても、JALもANA(全日空)も入っていない。世界の航空業界の競争は激しく、大手が倒産することも珍しくない。JALのような中途半端なサイズの企業が生き残ることはむずかしいというのが専門家の見方だ。

前原氏は、JALが破綻したりANAと合併したりして国内の大手航空会社が1社だけになると「独禁法違反になる」というが、それを避ける政策はある。いま世界の航空業界では、オープンスカイという自由化が進んでいる。これは外国の航空会社と相互参入を認めて競争を促進する政策で、アメリカと欧州各国、あるいはアメリカとアジア各国でこうした協定が結ばれている。

ところが日本は、オープンスカイ協定を拒否している。羽田や成田が混雑して、開放の余地がないという理由からだ。たしかに羽田が年間約30万回、成田が20万回という発着回数は世界有数だが、関西国際空港や中部国際空港にはかなり空きがあり、それ以外の地方空港はガラガラだ。それでも国交省がオープンスカイを拒否するのは、海外のLCC(格安航空会社)が参入し、日本の航空会社の経営を脅かすことを恐れているからだ。

前原氏は「航空産業は成長産業だから、政府が育成する必要がある」というが、これはおかしい。たしかに航空会社にとっては外資の参入は脅威だろうが、乗客にとっては運賃が安くなるのは歓迎だ。たとえばJALの往復運賃(エコノミー)を比べると、グアムは5万円だが宮崎は6万5000円。国際運賃のほうが安いのは、海外の航空会社との競争があるからだ。

つまり航空会社を保護したために、国内の観光地は海外のリゾートとの競争に負けてしまったのだ。かつて新婚旅行の半分以上を占めた宮崎も、今は見る影もない。前原氏のいう観光立国と、国内航空会社の保護は矛盾している。羽田・成田も拡張工事が行なわれており、新規の発着枠をオークションで公正に割り当てれば、海外のLCCが日本の地方空港を低価格で飛ぶことも可能になる。

民主党は、政策INDEXに「徹底したオープンスカイ政策の推進」を掲げている。空港を世界に開放すれば、国内航空会社が1社になっても海外の航空会社の参入で競争で国内運賃が下がり、国内の観光地が繁栄して内需拡大にも貢献するだろう。

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