花王の「スタイルフィット」「アタックNeo(ネオ)」、P&Gの「さらさ」など、昨今ニュータイプともいうべき衣類用洗濯洗剤の登場が相次いでいる。洗剤は普段なにげなく使っているコモデティー品の代表格といってもいい。それらは長く進化を止めているようにも見えるが、そのままで生き残っていられるほど現代の市場環境は甘くはない。では、ニュータイプ洗剤は進化の過程でどのような力を獲得していったのだろうか。

 まず、商品における「進化」とは何かを考えてみよう、「進化」とは広辞苑によれば「生物が世代を経るにつれて次第に変化し、元の種との差異を増大して多様な種を生じてゆくこと」とある。「生物」ではなく、消費者から選ばれ、買われなければ生き残れない「商品」で考えれば、「元の種との差異を増大」は、選ばれるために商品の「価値構造」を変化させ、価値を高めることに他ならない。

■洗濯石けんから粉末洗剤へ

 衣類の洗濯には、古くは天然油脂を原料とする、いわゆる「石けん」が用いられていた。
洗濯石けんを用いることによる「中核的価値」は「衣類の汚れが落とせる」である。特に、水洗いでは落とすことのできない皮脂などの、水に溶けない汚れを落とすには欠かせない存在である。
 洗濯石けんは、電機洗濯機の普及によって洗濯が人力から機械化されたと共に、より水に溶けやすい性質を持つ、「洗濯用粉末洗剤」にその座を明け渡すことになった。洗剤は「汚れが落とせる」という中核的価値を実現する欠かせない要素である「実体価値」に、「よりきれいにする」「より白くする」という要素を付け加えることになった。漂白剤による汚れの分解と、蛍光剤による増白である。

■コンパクト洗剤が実現した価値


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