独女がレディーファーストについて思うこと 【独女通信】

2009年10月08日14時00分 / 提供:独女通信

独女通信
この夏、愛美さん(32歳)の家にアメリカ人の友人、キャリーが一週間の滞在をした。愛美さんの父親は歓待し、愛美さんの彼は仕事が休めなかった愛美さんの代わりに、キャリーをドライブに連れて行ってくれた。しかし、キャリーには2人の好意は伝わらず、おまけに行く先々で出会う日本男性を見ては「日本人の男性は不思議」を連発したそうだ。

「キャリーとは電車で移動していたんですけど、駅の構内で前方から歩いてきた男性がキャリーの肩と触れ合っても、黙って歩いて行ってしまった。エレベーターに乗るときも、女性がいても男性は先に乗るので、その都度キャリーは唖然としていました。それと電車の中で妊婦さんが立っていて、その横で男性が平然と座っているので、どうしてあの男性は席を変わらないのだと質問されました」

マナーを知らない男性だと説明したのですが、不思議の極めつけはうちの父だと愛美さんは苦笑する。

「昔風というか、亭主関白なので母に早く風呂を入れろとか、キャリーさんにチーズを出せとか、キャリーへのもてなしは、自分が動かず母にやらせるんです。うちはそれが日常なんですが、キャリーにしたら夫婦なのに、父は母をメイドのように使っていると不思議だったみたいでした」

そして愛美さんの彼だが、英語が話せるから安心してキャリーの相手を頼んだのだが、帰ってきたキャリーから彼が車のドアを開閉してくれなかったことや、レストランで椅子も引いてくれなかったと驚かれたという。

「彼はレディーファーストのマナーに慣れていないと説明しましたが、私だって彼の車に乗せてもらう時は自分でドアを開けますよ。わざわざ運転席から降りて助手席のドアを開けて彼女を車から降ろす日本人男性は稀少ではないでしょうか」

愛美さんの彼はどちらかといえば無口で、女性をぐいぐい引っ張っていくタイプではないが、キャリーのためにかなり無理をして時間を作ってくれたのだ。外国人のようにレディーファーストのマナーは身についていないが、思いやりがあってとても優しい人だということ。そして父親のことは、古い日本男性に多いタイプで、人前で奥さんに優しくすることができないが、人が見ていないところでは母親に優しくしていることをキャリーに伝えたが、うまく伝わった自信はないという。

国際結婚した夫婦が一番悩むのは生活習慣の違いだというが、たった一週間の滞在で異文化の壁を乗り越えることは難しいことだろう。

欧米では古くからレディーファーストのマナーが浸透している。男性が女性のためにドアを開けたり椅子を引いたりするのは、子供の頃から身に着いた習慣で、相手への優しさや思いやりとはちょっと種類が違うのではないかと思う。

愛美さんの父親は照れ屋で母と二人で外出をしても車のドアも開けないし、荷物も余程重いものでないと持たないそうだ。でも家の中では、母が疲れたと言えば風呂掃除をしたり、愛美さんがいない時は母の肩を揉むこともあるという。 これこそ相手への思いやり以外の何物でもない。

日本の男性は元来照れ屋が多くて人前でレディーファーストができないといわれていた。
しかし最近はスーパーに行っても荷物を持つご主人の姿をよく見かけるようになった。
ドアを開けて「お先にどうぞ」と中に入れてくれたり、エレベータで「開」を押さえて女性を先に降ろしてくれる男性と遭遇することもある。そんな時は、「ありがとうございます」とにっこり微笑む女性が増えれば、日本でもレディーファーストが浸透するのではないだろうか。(オフィスエムツー/佐枝せつこ)
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