増沢 隆太 / 株式会社RMロンドンパートナーズ

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・パリピとコミュ障
流行言葉でいえばパリピ。パーリーピーポーはパーティを生きがいに、夏はビーチで、秋はハロウィンで仮装パーティ、冬はクリスマスから年越しカウントダウンと、パーティを好むリア充な若者のようです、アメリカ人みたいな。んー・・・アメリカと7年ぐらい仕事してましたが、お付き合いしてたNYSE上場企業の人たちはけっこう落ち着いてて、もちろんパーティもやったけど、中身はどちらかといえば赤提灯で河島英五の「時代遅れ」の歌詞みたいなおっちゃんが多かったなーと思う私です。あ、若者じゃないからなのか?

コミュニケーションの指導をしていて非常に良くあることは、「しゃべり下手」と「コミュニケーション下手」を混同する方が限りなく多いと言うことです。パーリーが苦手とカミングアウトしてしまったコミュニケーション講師の私が教える「コミュニケーション講座」では、コミュニケーションに自信が無い人が普通は受講しますが、そんな彼ら彼女らを変身させられるのでしょうか?

変身は出来ます。しかしそれは「ペラペラしゃべれるようになる」のではなく、「伝えるべき情報を、きちんと伝えられるようになる」ことを目指しているのです。オタクっぽいニイチャンが、授業を受けただけでペラペラのプレゼンが出来るようになる訳がありません。それで良いのです。このことをしっかり理解してもらえれば、もう8割方、ゴールは見えてきます。コミュニケーション講座はパリピを目指して誰とでも和気あいあい、イケイケなリア充生活を送れるようになる講座ではないからです。

・打ち解ける必要
「伝える」とは、単に一方的に情報を投げることではありません。相手が必ずいる訳ですから、いかに相手に受け止めてもらえるか、そうした土壌作りが極めて大切になります。そうなれば、コミュニケーション能力の向上において、そもそも「打ち解ける」って必要なんでしょうか?

少なくとも私は「打ち解け」下手です。外人パーティなど嫌いですが、どうしても出なければならない時もあります。昔は単に英語がわからないから苦手なのかと思っていたのですが、曲がりなりにも英語がちょびっとは理解できるようになってからも、「今日はいい天気だったね、キャシー」「そうねジム」みたいな会話の、どこがおもしろいのか全く理解できん!感は全く払拭出来ません。

そうなんです。コミュニケーション能力を身に着けることと、「誰とでもすぐ打ち解ける」ことは別物なんです。何となく気の利いた会話ができることがコミュニケーションのような錯覚を持っている人は多数います。しかし異業種交流会批判にあるような、見ず知らずの人と名刺交換したところでそれだけでは何の価値もありません。

・「面接」というコミュニケーションの目的
コミュニケーションはパーティのためでも、気の利いた会話をするためでもなく、何らかの達成したい意図をもって行うものです。「パーティで交流すること」が目的なら、不本意でも愛想良くふるまわなければ目的達成出来ません。しかし単にパーティでおしゃべりしたり名刺交換をすること自体はコミュニケーションの目的ではないはず。人脈作りや何らかの意思決定や合意形成を目指してコミュニケーションはあるのです。この違いは決定的に大きなものです。そしてここをごっちゃにしてしまうことによって、不必要な自信喪失や自己嫌悪が生まれるのです。

面接はなおさら社交の場ではありません。面接を受ける側からは単に値踏みをされるだけの場に感じるかも知れませんが、「コミュニケーション」の場です。だからコミュ力が重要視されているのです。ではその面接というコミュニケーションの目的は何でしょう?

当然ですが、何となくウマが合うとか話がはずむといったことでは、全くありません。「欲しい人材」を見きわめるのが面接です。自分が「欲しい人材」だと「思われる」かどうかこそが面接コミュニケーションの目的でしょう。ではその目的をさらに細分化すれば、どういう人が求められるのでしょう。

・面接で求められるもの
会社側は仕事で面接を行う以上、「仕事ができる」人が欲しいのです。それ以外の目的で採用面接をすることは考えられません。ただ、「仕事ができる」という定義はとても広く、単純に適性検査でハイスコアが出たとか、TOEICの点数などのような数値化できるとは限りません。

まして将来の幹部候補になるかも知れない有名大学の学生を選ぶのであれば、入学試験のような正解を当てる能力より、正解のない答えを自ら創り出せるような力こそ求められるものでしょう。つまり面接でうまくしゃべれるかどうかと採否は直接は関係ないのです。上手くしゃべれることが悪い訳ではもちろんありません。しかし核となる要素は「仕事ができること」を知らしめることです。

上手くしゃべろうとせず面接に臨むのはどうでしょう?その代り、自分の実績やモチベーション、適性やアイデア、思考能力といった、「仕事ができる」ことにつながるであろう要素やエピソードをしっかり伝えることに始めから注力します。決してうまくしゃべろうとせず、自分の果たすべき役割を認識して臨む。しゃべりに自信がないなら余計に、目的一直線に伝えることこそ面接においてまず果たすべき目的といえるでしょう。