ソニー式「成功のコンセプト」 お家芸復活でPS3が年末商戦の中心に

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 家庭用ゲーム機、新型「PS3」の推定販売台数が4日間で15万台を突破した。王座復権を目指しソニーが選択した戦略は、同社のお家芸でもある「小型化」だった。

 9月3日に発売された新型プレイステーション(PS)3の週間販売数が約15万台で、06年11月に発売して以降、週間販売数としては最高の売り上げとなったことが今週、エンターブレインの調べで分かった。

 ソニー・コンピュータエンタテインメントは人気で先行する任天堂の「Wii(ウィー)」などに対抗するため、新型機を旧モデルより1万円安い2万9980円で発売、この値下げ効果により販売が伸びた。これまでの最高は06年12月第4週の9万2122台だったが、突如、年末のゲーム商戦の中心に踊り出た。

 かつては家庭用ゲーム機で圧倒的な人気を誇ったプレイステーション。生産出荷台数のシリーズ累計は世界で1億台を突破する。しかし国内のゲーム市場は成熟期を迎え、近年は販売が低迷、「ゲーム人口拡大」を謳い若者だけでなく子どもから大人までターゲットを幅広く設定した任天堂 Wii などにリードを許していた。

 06年に発売した最新機種PS3は、ブルーレイディスクの再生機能に加え、ハイビジョンサイズの高精細CGでゲームを楽しめる力作で、インターネットに接続してゲームや映像ソフトをダウンロードできる、まさに新世代のゲーム機だった。しかし当初発表された価格は6万円と高額で、ユーザーだけでなくソフトメーカーからも反発を食らい、発売前に値下げを発表する前代未聞の事態に追い込まれた。新たに価格設定した内蔵ハードディスク20GBモデルは4万9980円だったが、この価格も一般ユーザーにとってはまだ高く、2万5000円で販売した任天堂 Wii に主役の座を奪われる結果を招いた。その後低価格に再設定し売り出したもののユーザーに強い印象を与えることはできず、これまでのPS3の国内推定販売数は約328万台と、Wii(約848万台)に3倍近い差をつけられている。

 そこで王座復権を目指し、ソニーが選択した戦略が、同社のお家芸でもある「小型化」だった。1970年代後半には、それまで持ち運ぶにはあまりにも大きく不便だったラジカセを、歩きながら聞くことができるようにコンパクト化した「ウォークマン」を大ヒットさせ、ソニーの名を世界に知らしめた。その後もデジカメからビデオ・カメラ、ノートパソコンまで数々の商品を得意の小型化技術で世に送り出し、技術を蓄積してきた。

 新型PS3は大きさ・重さをともに初代PS3と比べて3分の2にコンパクト化する一方で、ハードディスク(HD)の容量を80GBから120GBへ増設し、価格を2万9980円に抑えた。高機能ながら小型化と低価格を実現させたことが需要を生み、8月31日〜9月6日の週の売り上げは15万台を超えた。

 今後の狙いは年末商戦だが、すでに作戦は用意してある。スクウェア・エニックスの人気ソフト「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズの新作「FF XIII(13)」を12月17日にPS3で発売するのだ。シリーズ累計8500万本を出荷しているRPGの最新作が、年末商戦でどの程度の追い風となるか、ゲーム関係者の注目が集まる。

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MONEYzine編集部[著]

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