マックとロッテリアの集客戦争 「無料コーヒー」と「返金キャンペーン」賢いのはどっち?
「無料コーヒー」の日本マクドナルドと「返金キャンペーン」をロッテリア。消費者を驚かせた両社だが、その裏には巧妙ともいえるマーケティング戦略が存在した。
ファストフード業界でライバル関係にある日本マクドナルドとロッテリアのユーザー囲い込みを目的としたマーケティング競争が過熱を帯びてきた。
先手を仕掛けたのはロッテリアだ。7月15日に自信作の「絶妙ハンバーガー」の販売と同時に、もし食べておいしくなかった場合は、申し出た客に全額返金するキャンペーンを実施。当初は「返金待ちの行列ができるのでは・・・」と危惧する声もあったが、実施期間中の返品率は想定を大きく下回る約0.2%に留まった。その一方で同ハンバーガーを食べたユーザーへの満足度調査では90.3%が「満足した」と答えており、成功している。
ハンバーガー業界最大手の日本マクドナルドも負けてはいない。7月下旬から朝の時間帯にコーヒー1杯を無料で提供するキャンペーンを開始。当初は関東圏だけだったが、好評だったことから全国の約2200店で実施を拡大した。またキャンペーンの時間帯も朝だけでなく、地域によって午後6〜7時に変更し、時間帯を変えることで、利用者の拡大を図っている。
「返金キャンペーン」や「無料コーヒー」の実施はこれまでのファストフード大手チェーンでは考えられない異例のキャンペーンだ。あまりの大盤振る舞いに、消費者の方が「そんなことをして大丈夫?」と心配になるほどだが、そこは利益を追求する企業だけあり、マーケティングとして巧妙に設計されている。
ロッテリアの返金キャンペーンの場合、返品率は結果的に約0.2%。絶妙ハンバーガー単品は360円なので、ハンバーガー1個あたりの損失は1円にも達しない。複数のメディアにキャンペーンが報道され、多数の消費者にインパクトを与えたことを考えると広告費としては安上がりだ。さらに「おいしくなかった」と申し出た客には商品アンケートの記入が求められ、今後の商品開発の資料として蓄積されていく。ロッテリアとしてはたとえ返品されてもユーザーの生の声を収集できる貴重な機会なのだ。
また日本マクドナルドの無料コーヒーキャンペーンもマーケティング戦略のお手本ともいえる内容だ。ロッテリアのケースと同様に、テレビや新聞で大々的に取り上げられ、メディアを利用した広告効果を図る。同時にキャンペーンの失敗や想定外の事態が発生するリスクを考え、まずは関東地域のみで実施し、その後、問題なければ全国へ展開していく。さらに時間帯も普段は客が集まりにくい朝に設定しているので、新規の顧客数は増加し、朝食として他のメニューも一緒にオーダーしてもらえば顧客単価も落ちない。今後は地域によって実施時間帯を午後6〜7時に変更するというが、これは夕食時にファミリーレストランやコンビニから客を奪い取る戦略だ。いくら無料とはいえもともと原価がそれほどかからないドリンクのSサイズ1人1杯のみに限定しており、既存商品を利用した開発費なしのキャンペーン広告費として考えれば費用対効果は大きい。
日本マクドナルド、ロッテリアのキャンペーンはともにメディアを上手く利用したマーケティングだが、それでもこうしたキャンペーンを行うには、企業側にも決断力や実行力が必要で他企業が簡単に真似できるものではなさそうだ。両チェーンが次にどのようなプロモーションを行うのか続けて注目したい。
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MONEYzine編集部[著]
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ファストフード業界でライバル関係にある日本マクドナルドとロッテリアのユーザー囲い込みを目的としたマーケティング競争が過熱を帯びてきた。
先手を仕掛けたのはロッテリアだ。7月15日に自信作の「絶妙ハンバーガー」の販売と同時に、もし食べておいしくなかった場合は、申し出た客に全額返金するキャンペーンを実施。当初は「返金待ちの行列ができるのでは・・・」と危惧する声もあったが、実施期間中の返品率は想定を大きく下回る約0.2%に留まった。その一方で同ハンバーガーを食べたユーザーへの満足度調査では90.3%が「満足した」と答えており、成功している。
ハンバーガー業界最大手の日本マクドナルドも負けてはいない。7月下旬から朝の時間帯にコーヒー1杯を無料で提供するキャンペーンを開始。当初は関東圏だけだったが、好評だったことから全国の約2200店で実施を拡大した。またキャンペーンの時間帯も朝だけでなく、地域によって午後6〜7時に変更し、時間帯を変えることで、利用者の拡大を図っている。
「返金キャンペーン」や「無料コーヒー」の実施はこれまでのファストフード大手チェーンでは考えられない異例のキャンペーンだ。あまりの大盤振る舞いに、消費者の方が「そんなことをして大丈夫?」と心配になるほどだが、そこは利益を追求する企業だけあり、マーケティングとして巧妙に設計されている。
ロッテリアの返金キャンペーンの場合、返品率は結果的に約0.2%。絶妙ハンバーガー単品は360円なので、ハンバーガー1個あたりの損失は1円にも達しない。複数のメディアにキャンペーンが報道され、多数の消費者にインパクトを与えたことを考えると広告費としては安上がりだ。さらに「おいしくなかった」と申し出た客には商品アンケートの記入が求められ、今後の商品開発の資料として蓄積されていく。ロッテリアとしてはたとえ返品されてもユーザーの生の声を収集できる貴重な機会なのだ。
また日本マクドナルドの無料コーヒーキャンペーンもマーケティング戦略のお手本ともいえる内容だ。ロッテリアのケースと同様に、テレビや新聞で大々的に取り上げられ、メディアを利用した広告効果を図る。同時にキャンペーンの失敗や想定外の事態が発生するリスクを考え、まずは関東地域のみで実施し、その後、問題なければ全国へ展開していく。さらに時間帯も普段は客が集まりにくい朝に設定しているので、新規の顧客数は増加し、朝食として他のメニューも一緒にオーダーしてもらえば顧客単価も落ちない。今後は地域によって実施時間帯を午後6〜7時に変更するというが、これは夕食時にファミリーレストランやコンビニから客を奪い取る戦略だ。いくら無料とはいえもともと原価がそれほどかからないドリンクのSサイズ1人1杯のみに限定しており、既存商品を利用した開発費なしのキャンペーン広告費として考えれば費用対効果は大きい。
日本マクドナルド、ロッテリアのキャンペーンはともにメディアを上手く利用したマーケティングだが、それでもこうしたキャンペーンを行うには、企業側にも決断力や実行力が必要で他企業が簡単に真似できるものではなさそうだ。両チェーンが次にどのようなプロモーションを行うのか続けて注目したい。
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