民主党が圧勝した衆院選挙を受けて、2009年8月31日の東京株式市場は日経平均株価が年初来高値を記録したものの、為替の急激な円高進行でその後は売り優勢で推移。終値で前日(8月28日)比41円61銭安の1万492円53銭で引けた。

「日本の変化」への期待感から「円買い」

   1ドル93円台に落ち着いていたドル円相場は8月31日、92円台に突入。1か月半ぶりの円高水準となった。民主党政権の誕生で、「日本の変化」への期待感から、ユーロや豪ドル、英ポンドなどでも「円買い」が進んだ。

   円高基調は当面続きそうだ。民主党が日米関係の見直しを示唆していることや、中川正春「ネクスト・キャビネット」財務相がドルへの不安感に言及するといった材料が、しばらく「円買い」を進めるとみられる。

   あるFX関係者は、「90円を突破する場面があるかもしれない」と予測する。

株価は円高リスクでじんわり下落

   一方、「ご祝儀」ムードで始まった同日の東京株式市場は、前場で1万767円の年初来高値を更新。しかし、その後は下落して終値は1万492円53銭だった。円高が一気に92円台に進んだことで、自動車や電機などの輸出関連株が「売り」に出された。

   第一生命経済研究所の主席エコノミスト・嶌峰義清氏は「株価の下落リスクで最も懸念されるのは為替です」と心配する。

 

   円高以外でも「株価下落」の材料はある。民主党の鳩山由紀夫代表はさっそく補正予算の見直しに言及しているが、「即効性のある景気浮揚策が打ち出せないと失望感が広がる。いまの(自民党の)景気対策の効果が切れてくると、欧米からも日本の政策が問題視されるかもしれない」という。

   最低賃金の引き上げや二酸化炭素(CO2)の削減といった企業の負担増も株価に影響しそうだ。

   株式・為替の当面の動向について嶌峰氏は、組閣や首相の訪米スケジュールが進んで、その結果次第では「円高急伸、株価下落が進む」とみている。

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