格差社会が広がっていて、生活の苦しさを訴える人々の一票が、日本の政治の左右を決めると言われる8月30日の衆議院選挙戦。一部の企業の正社員や公務員でないかぎり、将来に希望の持てない若者が日本中に溢れている。せめて“世代間の格差”を無くそうと、改革を試みる候補者に投票しようも、圧倒的に老人よりも若者の方が数が少ない。これじゃあ、選挙に行ったところで、「高齢者に有利」な政治は何も変わらないのではないか。

長年安定した会社でおいしいポストにつく人や、終身雇用に守られた世代の人たちに比べ、就職難にあえぐ現代の若者たちの置かれた立場は貧乏クジそのもの。さらに将来的には、高齢者に払う年金を支える為に高い保険料を負担し、国の借金を返し、現在60歳〜70歳代の人がつくったバブルのツケを背負わされる。何十年も前から人口が先細りする事が分っていながら、何もしてこなかった高齢者に責任はないのか。

日銀が3月末に公表した統計では昨年末時点の個人金融資産は1434兆円に達し、その6割以上が60歳以上の高齢者に保有されているとの事。これは、ひとつの割合に過ぎないが、1980年代のバブル景気時に高額な収入を得ていた世代の人たち、またその上の世代からの資産を相続した人たちのほとんどが現在60歳以上に属する。世代的には彼らが若者よりリッチである事にはまちがいなく、またそういったリッチな親を持つ子も経済的に恵まれている。

今回の選挙戦に於いても、そんな“高齢者たちを優遇した”政策を掲げる候補者に高齢者たちは票を投じ、また選挙に無関心な若者をよそに“選挙に行くことに熱心”であるうえ、人口の割合が高齢者に傾く地方での1票は、都会の若者の1票よりも重い。

これでは、何を表わしているかというと、若者が選挙に行っても彼らが支持する候補者は当選せず、若者に不利な政治は続くという事。もちろん、「高齢者への配慮」最優先の政治がこの先も永遠に優先される可能性は高い。
「どうせ選挙に行ったところで、世代間の格差は無くならない。」
選挙に行かない若者たちが多いのは、そう思っているからではないだろうか。

上記の【金融ブラック・コラム】に対して、『スキラージャパン』の伊藤 亮太氏(ファイナンシャルプランナー)に回答してもらった。それを、下記「ホワイト・コラム」とする。

【金融ホワイト・コラム】「選挙に行っても“世代間の格差は縮まらない”と思っている若者へ・・・・。」

若い世代の人たちが選挙に無関心だと、若者の票が集まらず、どうしても高齢者の意見が政治に大きく反映されてしまうでしょう。人口の偏りからしても、若い世代の投票率が高くないことは問題です。
かといって、投票率の高い高齢者世代が、すべて恩恵を受けてきたとは限りません。高齢者の中でも制度によって恩恵を受ける人もいればそうでない人もいます。
昔ながらの「子が親を看る。」という生活が崩壊しつつある現代、高齢者を優遇した政治は介護、医療の面で、重い負担に耐える子供世代の個人をバックアップする政治とも言えるでしょう。今後、高齢化社会になれば「親を介護する為に」ますます個人の負担が増えるといった要因も忘れてはいけません。

しかしながら、将来の悲観ばかりしていても何もなりません。たとえ世代間の格差があろうと、安定した収入を得る道や、独立起業して成功するという道もあります。有用な資格をとって収入アップをはかってみたり、今自分のできること、やりたいことを実現する、そうした可能性をもって何かに取り組むこともよいでしょう。

まずは、社会人としてキチンと選挙に行って自身の考えを反映した方に投票してみる。1票はムダにはなりません。後々の日本のために、そして自分自身、将来世代のために。それが自身の未来を明るくすることにもつながるかもしれないのですから。
『スキラージャパン』の伊藤 亮太(ファイナンシャルプランナー)

伊藤氏の回答「ホワイト・コラム」より、以下の事が分かった。
選挙に行かないのは、自分の将来を放棄しているのと同じ。自分の支持する候補者に一票を投じる事が政治への参加の第一歩。まず同じ土俵に立たないと、若者が高齢者に有利な政治に勝つ事はできないのだ。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)

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