就職や転職のときに書く履歴書はいまや、PCで作るのが主流だ。手書きの方が、字の上手さがアピールになるとか、人柄が出るといったメリットがないわけではないが、見やすさを考えればPCがベター。もちろん大事なのは、字の上手い下手よりも中身ではある。

転職の際、PCの履歴書が主流

   インターネット調査のアイシェアが実施した「履歴書に関する調査」によると、もしも自分が職場の採用担当者だった場合、履歴書の書き方を「とても/ある程度重視する」と回答した人は86.1%という結果が出た。これらの人に対して、手書きとPCどちらで作成した履歴書が望ましいか、聞いたところ、「手書き」が50.7%で、「PC作成」はわずか4.3%だった。「どちらでもいい」は45.0%だった。調査は09年7月22日〜24日、20代〜40代の男女509人から回答を得た。

   この調査を、シンガポールの外資系企業で働くH.N.氏はブログ「ニートの海外就職日記」に書いた意見が、「はてなブックマーク」では500件以上がブックマークされ、話題になった。H.N.氏は、この調査結果が事実だとしたら、手書きの履歴書は日本の会社の非効率さを示すのではないか、と書いたからだ。「手書きの履歴書より、パソコンで作るほうが明らかに早いし、読みやすいし、管理もしやすいだろうに」というのだ。

   再就職支援のサービスを手がけている日本マンパワー人材紹介部・内田かおりさんによると、会社の方針や職種の関係もあって一概には言えないが、転職の際、履歴書は「圧倒的にPC履歴書が主流」と話す。

   ここ5〜6年に見られる傾向だという。最近の中途採用の書類選考では履歴書に加え、職務経歴書を課す企業が多くなっている。職務経歴書は、過去の就業経験や自己PRなどを書き込み、多い人ではA4用紙3枚ほどになる。第2新卒者でもA4用紙1枚にまとめる必要がある。こうして書き込んだ書類は、電子メールを通じて応募するため、必然的にPC履歴書が多くなるというわけだ。

「採用に際して、以前はよく言われていた『字が綺麗な方がよい』という人も少なくなってきました。また、採用活動の際、(手書きかPCか)どちらが有利かということもないと思います」

手書きのメリット、ないわけではないが……

   にもかかわらず、自分が職場の採用担当者になった場合は、手書きが望ましいという回答が多いのはなぜか。「履歴書に関する調査」に関して、ヤフーニュースのコメント欄でも800件以上が書き込まれ、こちらも大いに話題となった。いろいろな意見が寄せられているが、履歴書の手書きを支持する理由として、たとえば次のような意見がある。

「履歴書は、直筆のほうが人柄を見る判断にはなるのでPCよりはいいかな」
「ワープロより手書きの方が温かみがある」
「字が汚いというよりも、丁寧に書こうとする気持ちが伝わるように書いているか、だと思います」

   転職者へのアドバイスをしているリクルートエージェントの夫馬賢治さんは、「手書きの履歴書ではたしかに、文字が上手いことや人柄が出るというメリットもないわけではありません」としながらも、こう話す。

「採用側にとって、履歴書の見やすさを考慮すれば、PCの履歴書の方がベターでしょう。最近ではむしろPCをすすめています。字の上手い下手よりも履歴書の中身が重要なのは言うまでもありませんね」

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