草食系男子の対義語のような存在となった肉食系女子。10年も前にFEEL YOUNGで連載されていた「ハッピー・マニア」は、まさに恋に生きる肉食系女子の生き様を描いた漫画である。

 『なんでみんな恋人がいるの?』『なんであたしには恋人がいないの?』

 「重田加代子」24歳、書店のアルバイト店員。去年の夏に“2・3回やった”だけの、彼氏と思い込んでいた男にふられ、『本当の彼がほしい』と切に願っていた。そんな中、ラブリーでサワヤカな客に一目ぼれ。男の方にもその気があるようで、注文の本が届いた際はカヨコを指名して電話をするようメモを残していった。新しい恋の予感に胸躍らせて男に連絡をし、セックスをするもそれだけの関係にしたいと言われる。欲しいのはセフレではなく彼氏だと、カヨコは怒りを爆発させて部屋を出た。

 第一話からして散々なヒロイン、カヨコ。これから先も受難は続くのだが、カヨコは男に騙されたという認識は一切持たない。恋愛は自己責任においてこそ楽しめるものだと理解しているのだ。セックスも恋人になるための第一段階としており、やられて泣くだけではないしたたかさがある。

 バイト仲間の彼氏に手を出したり、知り合ったばかりの男と路地裏でセックスしたり、妻のいる男を追いかけたり、カヨコはとにかく分別に欠けている。一見かっこいい風の男が現れて、一目ぼれして、セックスして、後悔してのくり返しだ。愛を求めすぎるあまりおかしな男に引っかかることも多い。ストーキングのうえ監禁されたり、すわ刃傷沙汰という目に遭っても、懲りずに次の男を探す。

 カヨコは自分が淋しくてつらい状況を好んでしまう性質である。ゆえに“しびれるようでくるくるまわってて甘くて苦しくて目頭がアツくなるよう”な本当の幸せを求めて男を渡り歩くのだが、もはやそれ自体が彼女の幸せとなってしまっているようだ。それでいて満たされてくるととたんに嫌になる。真性のハッピー・マニアだ。

 そんなカヨコを一途に待つのが「高橋修一」。能天気に飛び回るカヨコを陰から見守り続け、時には仕事を紹介し、時にはお金を貸し、呼び出されればいつでも駆けつける究極の便利くんだ。甲斐あってカヨコと思いが通じ合ったかに思えたが、海外留学や記憶喪失などの障害が立ちはだかり、一筋縄ではいかない。それでも結局ラストはうまくいくんでしょ、とお思いのあなた。最終回でウェディングドレスに身を包んだカヨコの台詞に期待してほしい。

 究極の肉食系女子ともいえるカヨコだが、親友のフクちゃんこと「福永ヒロミ」も強烈だ。カヨコの面倒を見る姉御分といった役回りなのだが、自身の恋愛もなかなかパンチが効いている。友人の恋人に手を出したあとの『(女たらしに)たらされる気持ち良さときたら』は名言である。

 幸せになりたい。誰かを愛し、愛されたい。そんな女性ならば誰でも持っている当たり前の感情をコミックス11巻にわたり生き生きと描ききったハッピー・マニア。恋愛において女性が受身であることがセオリーではなくなてきている今こそ、多くの人に読んでもらいたい作品である。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)

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